ウチコミ!

ユーティリティスペース

洗濯のとき長い距離を歩かなくて済む
ワンルームマンションなどでは洗濯物は洗濯機から出してカゴに入れて運び、ベランダで干しますね。雨が降ればやむを得ず部屋の中で干すこともありますが、場所を専有するのが悩みの種。一戸建てでも同じような状況はあり得ますが、「空いた部屋に干しているから問題ない」という人もいるでしょう。しかし、洗濯機が設置されている洗面室と部屋が離れている場合は億劫ですし、そもそも物干しが洗濯機から遠いケースも珍しくありません。その点、「ユーティリティスペース」が設けてあれば洗濯→物干し→アイロンがけ→必要に応じてミシンも使う、といった家事の流れがスムーズになります。
様々な利用が可能な「家事室」
ユーティリティスペースとは、家事全般を行う多目的室、家事室のこと。ユーティリティ(utility)は英語で「有用」「実用性」のことですが、建築用語ではユーティリティ単独でも家事室を意味します。一般的には台所や洗面室などに隣接して設けられることが多く、太陽光が当たる場所に設ければ物干しにも使えますし、それ以外にも家事の合間に本を読んだり、趣味の編み物をしたり、様々な用途が考えられます。
ユーティリティスペースを設ける際は動線を考慮することが肝要です。動線とは、建物の中を人が動く経路のこと。例えば日常生活において料理をしながら洗濯をするという人はキッチンと隣り合わせにユーティリティスペースを設ければ移動距離が短くなり、家事に必要な時間が短縮できます。また、ユーティリティスペースにテーブルや椅子を設置しておけば様々な作業に利用することもできるでしょう。
ユーティリティスペースは近年になって日本の住宅に取り入れられるようになった部屋ですが、すでに様々な工夫を凝らした住居が登場しているようです。

・リビング+ユーティリティスペース
普段は広いリビング兼物干しとして使い、来客時などは引き戸を閉めて洗濯物を見えないようにすることができる。

・テラス+ユーティリティスペース
半屋外のテラスと組み合わせることで洗濯以外にガーデニングスペースなどに活用できる。室内に作るインナーテラスと組み合わせれば雨の日は室内物干し、天気の良い日はくつろぎのスペースにもなる。

・脱衣室+ユーティリティスペース
脱衣室とユーティリティスペースを隣り合わせに作り、壁に洗濯物を移動させられる穴を設ける。脱衣室→洗濯機→物干しの移動が最小限で済む。

・簡易ユーティリティ
ユーティリティスペースがない家でも、物干し竿を洗濯機の近くに設置したりすれば家事を効率化できる。