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レントロール

賃貸借契約の状況をまとめたもの
レントロールとは「賃借条件一覧表」のこと。ロール(roll)と言うとトイレットペーパーなどを思い出しますが、ここで言うロールは記録のこと。昔は羊皮紙などの巻物で書類がつくられていたので、この用法があるのです。アメリカやイギリスではrent-rollとしてそのまま一般的に使われています。
レントロールはビルやマンションなどを購入する際にその物件を見極める基準になりますし、テナントの状況を大まかに知ることもできます。テナントそれぞれの賃貸借契約書すべてに目を通すことは大変ですが、レントロールであればテナントと結んでいる契約の概要を知ることができるわけです。
一般的に、レントロールには次のような情報が掲載されています。

・階数・号室・現況・用途・入居者
・賃貸面積
・賃料
・共益費
・保証金または敷金
・その他

階数・号室情報は基本ですよね。不動産投資をしている人であれば、まず現況が気になることでしょう。現況を見れば、その部屋が入居中なのか空室なのか知ることができます。用途には「事務所」「店舗」などの情報が書かれています。マンション・アパートであれば1K、2LDKなどの「間取り」が記載されていることが多いでしょう。
賃貸面積(専有面積)は契約する面積のこと。オフィスビルなどでワンフロアを1テナントが契約している場合は廊下などまで含む面積で記載されている場合もあります。
賃料はテナントなどから得られる賃料。併せて単価を記載しているものもあります。現況が空室の場合が想定賃料が書かれていることも。想定賃料では市況によって強気あるいは弱気の賃料設定になっていることがあります。
共益費は管理費、共用部分の水道光熱費など。賃料を安く設定している物件は共益費が高い場合もあるので、賃料と共益費は合計で考えるようにした方が良いでしょう。
保証金または敷金は預り金のようなもの。オーナーが賃料滞納などのリスクに対応するためのものなので、何も問題がなければ賃貸借契約が終了するときに返却すべきお金です。最近では集客のために敷金を取らない物件もあります。
その他の欄には契約期間やフリーレントの特約、定期借家(普通借家と異なり契約の更新をしない物件)などの情報が書かれている場合があります。
レントロールで確認すべき点
レントロールには入居月が書かれている場合もあります。注意すべきは不自然にまとまって新規契約を結んでいる住人やテナントがいないかどうかです。架空の賃貸借契約を記載して新しいオーナーを呼び込む悪徳業者もいるので、警戒したほうが良いでしょう。また、入居年が古い部屋からは退去者が出る可能性がありますが、高齢者の場合は長期入居を望んでいる場合もあります。レントロールで気になる点があればしっかり確認するようにしましょう。