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続くコロナ禍、我慢はいつまで? 「旅行」を以前よりも楽しくしたい人への4つのヒント

朝倉 継道朝倉 継道

2021/12/21

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イメージ/©︎gioiak2・123RF

コロナによる最も大きなロスは旅行の楽しみ?

新型コロナウイルスによる「コロナ禍」が始まって約2年。この間、コロナによる影響で実施できなかった楽しみといえば、旅行を挙げる人がかなり多いだろう。

オミクロン株の話題がメディアを飛び交ういまも、さほど状況は変わらない。この12月14日に公表されたJR6社による2021年度・年末年始期間(12月28日~1月5日)における指定席の予約状況を見ると、対前年度同期比こそ181%に達するも、コロナ以前の数字と比べた対前々年度比では、半分をどうにか超えての60%に留まっている。

とにもかくにも「コロナが終わったら気兼ねなく自由に旅行したい」と、毎日ウズウズしながら過ごしている人は、世の中に渦巻くくらいに多くいるはずだ。

そこで、そんな渦巻くひとりでもある私から、来たるその日のために、旅行好きの皆さんへ向けて以下を贈りたい。それは、楽しい旅行のためのいくつかのヒントだ。

日頃より個性的な旅行を楽しんでいる何人かの人から聞いた、あまり世の中に語られていないアドバイス等、計4つとなる。

1.「ループの旅」で帰路のストレスを払拭!

旅行の中盤辺りまでは楽しいが、終りが迫るとなんだかユウウツという人、結構多いだろう。忙しい仕事や面倒な生活のあれこれ……ストレスにあふれた日常がまた始まるとの想いがその主な理由だ。

そこで、少しでも重たい気分を払拭するために、「旅はいつもループでする」という人がいる。要は「帰りの熱海・小田原を見ないことにしてるんです」とのことだが、どういうことなのか?

「例えば、東京に住む僕が大好きな関西方面を旅行する場合、かつては東海道新幹線を使っての往復がメインでした。ところがその際、とにかく憂鬱だったのは帰路の行程です。列車が静岡~三島辺りを越え、熱海、小田原の景色が見えると、もう心はどんよりです。明日から始まる忙しい毎日が、見上げる窓の外をまるで分厚く覆い尽くすかのようでした」

そのため、彼はいつからかこうした「単純往復型」の旅をやめることにしたそうだ。

「つまり、旅先が京都なら、行きは東海道新幹線を使っても、帰りは金沢経由~北陸新幹線で北側から帰って来るんです。そうすることで旅程全部の風景がつねに目新しいものになります。行きは輝いて見えていた小田原や熱海の景色が、帰りは恨めしくなるといった心の損害が防げます」


写真は金沢駅。帰路をアレンジすることで旅の楽しみ方が変わる/©︎takashikiji・123RF

う~ん、なるほど……!

ただしこのやり方、効果に個人差はあるだろうし、コストも嵩みそうだ。それでも、誰もが試してみてよい面白いチャレンジかもしれない。

ちなみにこの方法、海外旅行にも応用できる。もっといえば、近所の散歩でも実行可能だ(笑)。

2.見慣れた友人の顔も新鮮に!「現地出会い旅」

仲の良い友人との旅行といえば、大抵は誰もが出発地点である駅などで待ち合わせをし、一緒に電車やバスに乗ったり、飛行機に乗ったりする。

しかし、私の知るとても仲良しなある二人の場合、よく行うのが、互いの旅行プランはほぼ自由、出発地点ではなく旅先で待ち合わせる「現地出会い旅」だ。

例えば、「〇月〇日午後〇時に、〇県〇〇美術館のロビーで会いましょう。そのあと晩は一緒に食事をし、また別れましょう」――。

そんな約束のみをして、それぞれは勝手な日に旅立つ。帰りの予定ももちろんお互いの勝手としておくわけだ。すると、現地ではまずこんな会話になるそうだ。

「今日はどこに泊まるの? いつ家を出た? 午前中はどこ観て回ったの? 明日はどこへ? え? そこに行くのならまた会っちゃうかもね!」

海外の町で知り合ったバックパッカー同士が、また別の町で偶然出会うような雰囲気とも似ていて、友人の顔がまるで新鮮に映るそうだ。

なお、天候を考え、“ランデヴーポイント”は屋根のあるところにしておくのがよいとのこと。

「ちなみに、インターネットにつながる携帯やスマホがなかった頃は、特に海外でこれをやると、現地で無事に会えるか、相手の顔を見るまでドキドキでした」

対して、いまは……

「会うまではメール・SNSを禁止にしないと、同じ雰囲気は味わえませんね」

たしかにそうだろう。ただし近年、逆にそんな環境を利用して、互いの居場所や風景を刻々報告し合うというのをやってみたところ……

「旅をふた通り同時並行でしているような気分になり、それはそれで楽しかった」のだそうだ。

3.お土産は、普段買うべき物をわざとゲット!?

旅行の土産には2種類ある。ひとつは自分のための思い出の品、もうひとつは他人に配るためのいわゆるお土産だ。

このうち、自分のために買うお土産で、面白いことを実行している人がいる。それは、日常の買い物を「わざわざ旅先でする」という変わったアイデアだ。

その人曰く、「例えば、秋に旅行した先で、普段利用するブランドが展開しているその町の支店に入り、そこで冬物の服なんかを買っちゃうんです――」

ちなみに、この人が暮らすのは東京の都心だ。働いているのも同じく都心。あらゆるブランドの店が自宅か職場の近くにあり、「そこで買えばいいのになんでわざわざ旅行先で?」と誰もが思うが、そうではないのだそう。

「福岡に野球を観に行ったときに買ったアクセサリー……お国訛りの楽しい店員さんがいた仙台のお店の洋服……凍える氷点下の札幌で購入したウールの帽子……どれにも思い出がくっつくでしょ? それがとても好きなので」

なるほど。とても豊かな発想なのかもしれない。

4.職場でお土産配りません!

最後もお土産の話だ。日本人の抱える重苦しいマターのひとつ(?)職場への旅行土産のことを話したい。


旅行での悩みのタネ「職場お土産問題」/©︎powerbeephoto・123RF

これを買うために旅先では貴重な時間を奪われ、カバンやスーツケースの中身もわが物顔に占領され……。実は多くの人がやめたがっているであろう、不思議な慣習である職場でのお土産配り。

やや似た存在である忘年会が、コロナの逆風を食らい、このごろ廃れつつあるのに比べ、こちらはコロナが過ぎ去るとともに再び復活するであろうことがおそらく目に見えている。

一方、私が過去に見てきたなかには、そんな悩みなどどこ吹く風――たとえいずこへ旅行しようとも、職場ではお土産を一切配らない人がいた。

「でも……それって普段から周りの空気を気にしないスタイルを貫いていたり、そう宣言したりしている強気な人の例でしょ? 誰もが集団の中ではそうはなれないから、みんな苦労してるんじゃない?」

否、そうではない。

その人、決して孤高のキャラでもなく、気難し屋さんでもない。ある意味迎合型で、周りにはとても親しまれていた気さくな人気者なのだ。

説明しよう。実はその人、旅行土産は買ってこないが、普段の小さな手土産ならばしょっちゅう買ってくる。

昼休みに外出したあと、「デパートに寄ったら、これ物産展で売ってたよ。すごく美味しいからあとでみんなで食べよう」

外の仕事先から戻ると、「今日は暑いんでシューアイス思わず買っちゃった! みんなの分もあるよ」

こんな風に、普段からあふれる仲間愛を示していたこの人が、実は、非合理な旅行土産や帰省土産だけは決して買ってこないことについぞ気付かずにいた人も、結構多かったはずだ。

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この記事を書いた人

コミュニティみらい研究所 代表

小樽商業高校卒。国土交通省(旧運輸省)を経て、株式会社リクルート住宅情報事業部(現SUUMO)へ。在社中より執筆活動を開始。独立後、リクルート住宅総合研究所客員研究員など。2017年まで自ら宅建業も経営。戦前築のアパートの住み込み管理人の息子として育った。「賃貸住宅に暮らす人の幸せを増やすことは、国全体の幸福につながる」と信じている。令和改元を期に、憧れの街だった埼玉県川越市に転居。

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