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賃貸の初期費用は高い!? 安くするには内見前や契約時が重要

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イメージ/©︎bearbakerstreet・123RF

【2022年4月更新】

初めての一人暮らし、初めてアパートを借りる……、そんなとき、一番気になるのはやはり「初期費用」という方は少なくないと思います。一般の賃貸住宅では、家賃のほかに敷金や礼金、仲介手数料などといった初期費用がかかります。この初期費用に不安を抱いている方は多いのではないでしょうか。

例えば、都内で家賃7万円の物件を借りる場合の初期費用はいくらくらいかかると思いますか? 前家賃、敷金1カ月分、礼金1カ月分、仲介手数料1カ月分だけでも28万円もかかります。それ以外にも、保証会社利用料や火災保険、鍵交換費用など物件によってかかる費用はさまざまです。引っ越し屋さんの費用も追加すると……、かなりの出費が予想されます。

しかし、ご安心を! この初期費用、安くすることができるのです。今回この記事では、そんな賃貸の初期費用についてご紹介します。

そもそも初期費用とは?

賃貸住宅を借りる際にかかる初期費用とは、具体的にどんなものなのでしょうか。見ていきましょう。

〇敷金

こちらは賃貸住宅を借りるときに、前もって大家さんに預けるお金のことです。退去する際の原状回復費用にこのお金が充てられます。ですから、普段からきれいな生活を心掛けたり、家賃の滞納がなければ、クリーニング代などの最小の額しかかからず、退去時に戻ってくる額が多くなります。一般的には、家賃1カ月分が一般的です。

〇礼金

こちらは部屋を借りる大家さんへのお礼のお金です。こちらも家賃1カ月分が支払いの目安になります。敷金と同じような金額なので混乱する方もいるかもしれませんが、こちらは退去時に戻ってきませんのであしからず。ちなみに、関西では敷金・礼金ではなく、保証金・敷引きという商慣習があります。礼金と同じく戻らないお金です。相場に関しても、関東とは異なりますのでご注意ください。

〇前家賃

こちらも家賃1カ月分が目安です。どういったお金かというと、入居する月の翌月分の家賃(+管理費)になります。つまり、先払いということになります。もちろん、入居月は日割りにはなりますが、入居した月の家賃(+管理費)と翌月分(+管理費)も支払うことになりますので、まとまったお金がないときついですよね。 

例として、3月1日に契約して3月15日から入居する場合、3月15日〜月末までの日割家賃と4月分の家賃を前払いすることになります(大家さんや、仲介に入る不動産会社により変わる場合があります)。

〇仲介手数料

仲介してくれた不動産会社に支払う手数料になります。一般的な目安としては家賃の0.5カ月~1カ月分+消費税になります。上限は家賃1カ月分になりますので、それ以上かかることはありません。こちらは、大家さんが全額支払うこともありますし、入居者が全額支払うこともあります。また、双方で折半する場合もあります。

〇火災保険料

入居時、火災保険に加入しなければなりません。こちらはその際の費用となります。目安としては単身者で1万5000円程度、ファミリーなら2万円程度になります。

〇保証会社利用料

こちらは、家賃が払えなかった場合などに備えて、保証会社を利用するときのお金になります。目安は家賃の半分~全額になります。連帯保証人がいれば支払わなくていい場合もありますが、最近では保証会社を利用することが一般的になっています。

〇鍵交換費用

おおよそ1万円〜2万円程度支払います。

上記でご紹介したほかにも、引っ越しをする際には引っ越し費用がかかりますよね。やはり、賃貸住宅に住み始める際には大きな金額が必要になります。

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交渉次第で初期費用は安くなる? 具体的なケースや事例をご紹介

これだけの初期費用を一気に支払うのは難しい……そんな方は珍しくありません。それなら、これだけの初期費用を抑えることはできるのでしょうか。大家さんや不動産会社と交渉して、抑えることができるかもしれません。ここでは、その交渉についてご紹介します。

交渉に応じてもらいやすそうなケース

空室期間の長い物件は、大家さんも早く入居者を決めたいと思っています。もしかしたら初期費用の金額を下げてもらえたり、後払いにしてくれることもあります。なかには、敷金・礼金をゼロにしてくれる大家さんもいる可能性がありますので、交渉した方が断然お得です。

交渉に応じるのが難しそうなケース

交渉に応じてくれる大家さんもいれば、もちろん応じてくれない大家さんもいます。とくに敷金についてはシビアかもしれません。敷金は退去時の原状回復費用に使用されるお金ですから、大家さんも取り損ねないように初期費用で必ず、という気持ちも分かります。

退去時のクリーニング費用は必ず支払わなければいけないの?

敷金と関係のあるお話ですが、退去時にクリーニング費用を請求されることがあります。それは、支払わなければならないのでしょうか。

クリーニング費用は、原状回復費用や清掃費用とも呼ばれ、退去時に必要となるお金です。クリーニングは、次の入居者のために、特殊な道具や薬剤を使用して徹底的になされます。また、物件の広さによって費用が変わってくるため、広い部屋にお住いの場合はやや高額になるかもしれません。

クリーニング費用の支払い時期は? 交渉ポイントはある?

クリーニング費用の支払いは基本的に退去時です。部屋の汚れ具合などを加味して費用が決定されます。入居時に敷金を払っている場合は敷金から差し引かれ、敷金ゼロの場合は全額請求されることになります。

一方で、入居とともに支払う場合もあります。大家さんが退去時のトラブルを避けるために、クリーニング費用の前払いをする場合があることを覚えておきましょう。

国土交通省が出している「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、「原状回復は、賃借人が借りた当時の状態に戻すことではない」ということを明確化していますが、あくまで契約書の内容が優先されます。契約書のほとんどは、クリーニング費用は借りる側が支払うように記載されていることが多いようです。

クリーニング費用は敷金に組み込まれていた方がお得?

前述したとおり、ほとんどの場合は敷金にクリーニング費用が組み込まれています。しかし、そうでない物件もあるので注意が必要。「敷金なし」の物件に飛びついて入居してしまうと、退去時に思わぬお金を請求されることがありますので、そこは大家さんに確認してみてください。

室内消毒費も初期費用に含まれる?

「ハウスクリーニングに入ってないの?」と思ってしまいそうですが、室内消毒費とは、入居前に害虫駆除や消毒殺菌、消臭除菌する費用になります。行うのは管理会社や仲介業者、施工業者になります。

こちらは管理会社や仲介業者によって、消毒の内容や費用も変わってくるので注意が必要です。消毒専用の機械を使って丁寧に行う業者もいれば、市販の数千円のスプレーで簡単に済ませてしまう業者もいるようです。

どのケースにしろ、本来は数千円で済ませられることを1万円以上の金額がとられてしまう場合があるので注意したいところです。ですから、「室内消毒は自分でやります」と交渉してしまうのも一つの手。

例としてこんな言い方もあります。

「消毒されてしまうと肌が荒れることがあるんです。これから入居する部屋に消毒液を散布しないでください」 

こんなふうに言えば、意外と角が立たずに簡単に交渉できてしまうかもしれません。

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そのほか初期費用を抑える交渉のポイントは?

〇鍵交換費用

この鍵交換費用……「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」では、貸主負担であることが妥当と考えられるとされています。ですが、入居者に請求されることが多い費用です。ここは交渉の余地があるのではないでしょうか。

〇前家賃はフリーレントで解決できることも

初期費用を抑えたいなら、フリーレント付きの物件を選ぶことも一つの手です。フリーレントとは家賃が一定期間無料になるという仕組みです。期間については数週間から、長くて1カ月が多く、入居月の日割家賃がフリーレントという物件も増えてきているようです。

そんなお得なフリーレントですが、デメリットもあります。いくらフリーレントがお得だからと言って、それを希望する入居者ばかりでは大家さんも困ってしまいます。ですから、デメリットも存在するのです。

短期違約金が設定されている

フリーレントのほとんどの物件は、短期違約金というものが付いてきます。こちらは、物件を短期で出ていってしまったときに発生する違約金。つまり、フリーレント物件を渡り歩く……ということはできないようになっているんですね。ちなみに金額は、おおよそ家賃の1カ月分から2カ月分になります。 

万が一、わざと早く退去するわけではなく、やむを得なく短期で物件を退去したいときでもこのお金は発生しますので、安易にフリーレントがお得とは言えません。

フリーレントの交渉はどうすればいいの?

それでもフリーレント付きがいいという方は少なくないと思います。交渉次第でフリーレントにしてもらうことはできるのでしょうか。

交渉したい方におすすめなのが、大家さんと直接交渉、やりとりができる「ウチコミ!」です。ウチコミ!では、直接大家さんとつながることができるので、フリーレントの交渉も成功率が高いかもしれません。

〇火災保険

火災保険については、物件によって必ず入らなければいけないものでない場合もありますが、万が一の備えは必要です。入っておきましょう。

日本では、火災を起こした人に重大な過失がない場合、損害賠償責任を負わなくてもいいのですが、原状回復が必要な場合は、損害賠償責任が発生してしまいます。火災保険に加入していれば、その負担は軽減されます。

ちなみに、仲介会社経由で加入することが多い火災保険ですが、自分でも加入できるものなのはご存知でしょうか。必要な補償内容だけで費用を抑えることができます。しかし、仲介会社から「火災保険は指定会社で」と言われることも……。入居者自身が選べない(選ばせない)理由は、仲介会社にマージンがあるからと言われています。

〇仲介手数料を支払わずに済む方法は?

仲介手数料とは、前述した通り紹介してくれた不動産会社に支払うお金で、おおよそ家賃の1カ月分とされています。こちらは法律で決まっている金額なので、それを上回ることはありません。もしかしたら、交渉次第で安く抑えることができるかもしれません。 

ちなみに、先程ご紹介した「ウチコミ!」では、全ての物件が仲介手数料は無料です。

交渉を成功させるための注意点

さて、ここまでいろいろと初期費用について説明してきましたが、交渉を成功させるコツはあるのでしょうか。詳しく見ていきましょう。

〇交渉のタイミングは?

初期費用の交渉は当然ですが、契約前です。契約が成立してからは交渉ができませんのでご注意ください。

交渉に一番向いている時期は、賃貸の繁忙期と言われる1月〜3月を除いた“閑散期”と呼ばれる時期です。大家さんは空室に悩んでいる場合が多いので、この時期がもっとも交渉を成功させやすいでしょう。閑散期のなかでも9月、10月は、転勤や異動で多少動く時期だと言われています。

〇交渉に有利な知識を身につけよう

空室期間が長い物件や、築古の物件は比較的交渉が通りやすい物件と言えます。また、駅から遠い物件など、利便性に富んでいない物件は人気がなく、交渉が通りやすいと言えるかもしれません。

また、しっかりと下げてほしい具体的な金額、払える金額を伝えることも大切。そして、もし交渉が成立したら「必ず住む」と伝えることです。大家さんは空室期間をなるべく少なくしたいと思っているので、これはとても重要なことです。

ただし、無理な値下げ交渉は厳禁です。大家さんもそれを家業としてやっているので、あまり無理なことを言われても対応できませんし、心証を害してしまう可能性もあります。あくまで、常識的な範囲内での交渉をおすすめします。

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この記事を書いた人

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