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コロナ下での国交省「地価LOOKレポート」第3弾 上昇地区が増加するも、下落も高水準(1/2ページ)

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文/朝倉 継道

上昇地区 1地区から15地区へと増加

2月24日、国土交通省より、2020年分として4期目となる「地価LOOKレポート」が公表された。令和2年第4四半期(令和2年10月1日~令和3年1月1日)の地価動向を示す公的指標だ。

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新型コロナウイルス感染拡大の影響が色濃く及んだ、前々回(令和2年第2四半期分・4月1日~7月1日)、前回(令和2年第3四半期分・7月1日~10月1日)に続いての「コロナ下」での日本の都市部地価動向を測るものとなっている。

まずは、全地区(全国)の状況を確認してみよう。

全地区(全国)
・上昇 …15地区(前回1地区、前々回1地区)
・横ばい …47地区(前回54地区、前々回61地区)
・下落 …38地区(前回45地区、前々回38地区)

このとおり、上昇地区が前回の1地区から15地区へと大きく増加。コロナ禍を受けてしばらく続いていた下落・様子見の傾向から、早くも脱しつつあるのだろうか。

国交省はレポート内で、「用途別では商業系の方が住宅系よりも下落地区の割合が高い」「地域別では大都市圏で、地方圏よりも下落地区の割合がやや高い」「住宅地では、マンションの堅調な販売状況や、事業者の素地取得の動きが回復したことにより、需要が堅調な地区が見られる」「商業地では、再開発事業の進展等により、需要の回復が一部の地区で見られる一方、ホテルや店舗等の収益性の低下により下落が継続している地区や、店舗やオフィスの空室が増加し、新たに下落に転じた地区も見られる」とコメント、住宅地と商業地で明暗が生じていることを指摘している。

それを示すのが、以下、各用途別の数字だ。

「住宅系地区(全32地区)」
上昇 …9地区(前回0地区、前々回0地区)
横ばい …20地区(前回26地区、前々回27地区)
下落 …3地区(前回6地区、前々回5地区)

住宅系地区で、変動率区分が上方に移行した地区…10地区
同じく、下方に移行した地区…0地区

「商業系地区(全68地区)」
上昇 …6地区(前回1地区、前々回1地区)
横ばい …27地区(前回28地区、前々回34地区)
下落 …35地区(前回39地区、前々回33地区)

商業系地区で、変動率区分が上方に移行した地区…17地区
同じく、下方に移行した地区…6地区

特に商業地においての下落地区の数(35地区=全体の5割超)に、国交省が指摘するところの明暗の差が、表れているようだ。

地域別(3大都市圏・地方圏)の数字も挙げてみよう。

東京圏(43地区)
上昇 …6地区(前回0、前々回0)
横ばい …26地区(前回34、前々回38)、
下落 …11地区(前回9、前々回5)

大阪圏(25地区)
上昇 …4地区(前回0、前々回0)
横ばい …4地区(前回7、前々回8)
下落 …17地区(前回18、前々回17)

名古屋圏(9地区)
上昇 …2地区(前回0、前々回0)
横ばい …4地区(前回0、前々回0)
下落 …3地区(前回9、前々回9)

地方圏(23地区)
上昇 …3地区(前回1、前々回1)
横ばい …13地区(前回13、前々回15)
下落 …7地区(前回9、前々回7)

東京圏での下落地区の増加、さらに、大阪圏での数多い下落地区の横ばい傾向が目を引く。大阪圏では、全地区に対する下落地区の割合が、7割近くと顕著だ。

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