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週末は田舎暮らし! を始めよう(21)

飲み会も車で行くしかない? 田舎暮らし交通事情のリアル(1/3ページ)

馬場未織馬場未織

2016/07/29

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短距離でも、車。

「いまからそっち、行くからよぅ!」

集落のご近所さんから連絡があり、「お待ちしています!」と電話を切ると、その1~2分後くらいにぶーんとやってくる軽トラ。もしくは、軽バン。

たとえば、わが家のお隣さんであっても(何十メートルか離れていますが)、車でぶーんとやってきます。重たい野菜をお裾分けいただく場合もありますが、ぺらっとした紙1枚の受渡しであっても同じ。車が足代わりです。

逆に、わたしが子どもたちを連れて農道をのこのこ歩いていると、「都会の人は、よく歩くねえ!」と声をかけられることもあります。

そう。田舎は、車社会。

集落のなかも、街も、どこもかしこも、歩いて移動している人はほとんど見かけません。

東京の学生と話していると、「運転免許? 持ってないっす」という人が最近かなり多く、免許があっても車はないのでカーシェアリングという人がほとんどです。

一方、田舎では免許取得は生きるためにほぼ必須で、多くのお母さんはこどもたちを習い事に送迎していますし、認知症が進んで老人ホームに入ったというおばあさんがその直前まで車を運転していた、というケースも見られます。

田舎のカーライフ事情

世帯当たりの車の所有台数を調べると、東京は0.65台に対し、わたしの家のある千葉県は1.31台。首都圏だと栃木は2.14台、群馬は2.18台。もっとも多い県は福井で2.31台。「大人ひとりにつき1台」が当たり前と言っても過言ではありません。

ちなみに世帯当たり1台に満たないのは、東京のほかは神奈川、大阪だけです。

公共交通機関が充実していない地域において、どうしても車に頼らざるを得ないという状況は、すぐには変わらないと思います。つまり、田舎暮らしをしたい! と思ったとき、否応なく降りかかってくるのが、まず免許を持っているかどうか。次に車を所有しているかどうか、という問題です。

自然環境が好きで、田舎を満喫する人生を送りたいという思いを持っていても、免許がなければ楽しめないなんて、何だかつまらない話ですよね。

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この記事を書いた人

NPO法人南房総リパブリック理事長

1973年、東京都生まれ。1996年、日本女子大学卒業、1998年、同大学大学院修了後、千葉学建築計画事務所勤務を経て建築ライターへ。2014年、株式会社ウィードシード設立。 プライベートでは2007年より家族5人とネコ2匹、その他その時に飼う生きものを連れて「平日は東京で暮らし、週末は千葉県南房総市の里山で暮らす」という二地域居住を実践。東京と南房総を通算約250往復以上する暮らしのなかで、里山での子育てや里山環境の保全・活用、都市農村交流などを考えるようになり、2011年に農家や建築家、教育関係者、造園家、ウェブデザイナー、市役所公務員らと共に任意団体「南房総リパブリック」を設立し、2012年に法人化。現在はNPO法人南房総リパブリック理事長を務める。 メンバーと共に、親と子が一緒になって里山で自然体験学習をする「里山学校」、里山環境でヒト・コト・モノをつなげる拠点「三芳つくるハウス」の運営、南房総市の空き家調査などを手掛ける。 著書に『週末は田舎暮らし ~ゼロからはじめた「二地域居住」奮闘記~』(ダイヤモンド社)、『建築女子が聞く 住まいの金融と税制』(共著・学芸出版社)など。

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