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波乱も? 「賃貸不動産経営管理士試験」の結果発表 賃貸住宅オーナーも受験を(2/2ページ)

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次の試験は難しくなる?

想像するに(あくまで想像だ)、今回の試験では、合格者輩出目標が事前に1万人程度におかれていたところ、国家資格化後初の試験ということで、多くの受験者が気合を入れて勉強し、高得点を獲得。その結果が、上記の波乱に繋がったようにも思われる。

また、さらに想像を重ねると、今回も実際には前回と同様35点前後が合格ラインとなるよう、試験問題自体は設計・構成されていたのかもしれない。

つまり、そのように「合格者約1万人・合格ライン35点前後」が、本来の理想であったとの推測に立つうえでの話だが、仮にこれを次回も目指すとすれば、令和4年度試験は今回よりも若干難しくなるかもしれない。難度が一段上がる可能性を予測しておくのがよいといったところだろう。

と、いうよりも、合格のためにはそう決めて臨んでおくのがそもそもおススメだ。

賃貸住宅オーナーも、入居者も、ぜひ受験を

賃貸不動産経営管理士試験は、誰でも受けられる受験しやすい試験だ。年齢や性別、学歴等の制約はない。なおかつ、文中幾度もふれたとおり、これに合格したことで得られる資格は国家資格となった。民間資格だった前回試験までと比べ、価値も大きく上がっている(賃貸不動産経営管理士として業務を行うためには別途資格登録が必要)。

そのうえで、この試験に挑戦する人は多くが賃貸住宅管理会社のスタッフなど、不動産関係者と思われるが、彼らに並んでぜひおススメしたいのが、大家さん、すなわち賃貸住宅オーナーの受験だ。

賃貸不動産経営管理士試験合格を目指すための勉強をすると、オーナーは「強く」「賢く」なれる。法律や制度を中心に、管理会社や仲介会社と対等に話し合うための知識が広く身につけられる。これは「彼らと対峙せよ」ということではない。パートナーとして協力し合うにおいて、両者が同じベースに立つことは、非常に有効かつ好ましいということだ。

さらには、賃貸住宅に暮らす入居者の皆さんも、よければぜひ挑戦してみてほしい。賃貸住宅に住む人がおかれている法律上の立場や権利などが、受験勉強によってよく理解できる。オーナー同様、入居者として「強く」「賢く」なれるわけだ。若い人など、将来の進路によっては、長く役立つ知識や立場を身につけられることにもなるだろう。

次回・令和4年度賃貸不動産経営管理士試験の実施要領は、間もなく「一般社団法人賃貸不動産経営管理士協議会」のウェブサイトにて発表されるはずだ。時期は3月か4月になると思われる。 

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賃貸住宅に住む人、賃貸住宅を経営するオーナー、どちらの視点にも立ちながら、それぞれの幸せを考える研究室

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