BOOK Review――この1冊 『賢い子はスマホで何をしているのか』 (2/2ページ)
BOOK Review 担当編集
2021/07/21
「プログラミング教育」で学ぶこととは何か?
そもそも、プログラミング教育では何を学ぶのか。
文部科学省によれば、「子どもたちに、コンピュータに意図した処理を行うように指示することができるということを体験させながら、将来どのような職業に就くとしても、時代を超えて普遍的に求められる力としての『プログラミング的思考』などを育成するもの」という。かいつまんでいえば、プログラミング的思考とは、自分が意図する一連の活動を実現するために必要な論理的な思考だ。
例えば著者が行うワークショップでは、子どもでも簡単に操作できるプログラミング言語を活用。ある時には、猫のキャラクターの行動を、実際に子どもにプログラミングさせてみる。
猫を歩かせるのか、歌を歌わせるのか、ジャンプさせるのか。子どもが自由に決めて、プログラミングしてよい。子どもはプログラミングを通じ、デジタルの世界で自分のアイデアが具現化する様子を目の当たりにして、喜ぶ。この喜び、楽しさが、子どもの創造性や表現力を刺激し、主体的に学ぶ意欲を引き出す。
デジタル社会を生き抜くうえでは、プログラミングを学ぶこと自体に、とても重要な意味がある。加えて著者は、プログラミング教育を通じ、創造力や表現力を学ぶことも重視する。これからの子どもたちは、一人ひとりが、AIにとって代わられない能力を身に付けなければならない。だからこそ、創造性や表現力を磨くことの重要性が増す。
著者がデジタル教育を推進する土台には、こうした思いがある。
デジタルツールとの付き合い方の最適解に唯一の正解はなく、子どもの性格や志向性などによって、さまざまに変わる。デジタルを避けて生きられない社会である以上、「ちょうど良いところ」を探りながら、自分にとっての最適解を見つけるしかないのだ。子どもの将来を見据え、子どもと共に学び続けようとする著者の言葉からは、学べることがたくさんある。
BOOK Review――この1冊
■『教養としての「地政学」入門』
■『ハーバード式不動産投資術』
■『安いニッポン「価格」が示す停滞』
■『相続したボロ物件どうする? 賃貸アパート経営の道しるべ』
■『お気の毒な弁護士』 最高裁判所でも貫いたマチ弁のスキルとマインド
■『不動産投資歴60年! 90歳女性現役大家の儲かる不動産投資術と物件管理の極意』
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ウチコミ!タイムズ「BOOK Review――この1冊」担当編集
ウチコミ!タイムズ 編集部員が「これは!」という本をピックアップ。住まいや不動産に関する本はもちろんのこと、話題の書籍やマニアックなものまで、あらゆるジャンルの本を紹介していきます。今日も、そして明日も、きっといい本に出合えますように。