発火事故が再び増加中 テーブルタップや延長コードなど「配線器具」の安全管理に要注意(2/2ページ)
賃貸幸せラボラトリー
2022/03/11
呼びかけを! 狭い賃貸では「配線事故」のリスクがいっぱい
ところで、以上の「配線器具による発火事故」だが、賃貸住宅に住む人の多くや、物件を持つオーナーにとっては、身に迫るものといっていい。
なぜなら、家具の裏などに隠れたホコリの積もりやすいコンセントや、踏みつけに遭いやすい長い延長コード、定格容量をオーバーしたタコ足配線など、事故を招きやすい状態は、特に狭い単身用の賃貸住宅などではあたりまえのように見られるものだからだ。
賃貸住宅を借りて住む入居者も、貸すオーナーも、これらが思わぬ事故を招かないよう、普段からしっかりとその危険性を心得ておくようにしたい。
なお、ほとんどの賃貸住宅オーナーも管理会社も現在実行してはいないことだが、ぜひ勧めたいのは、この記事で紹介したようなリスクを管理する物件の入居者に定期的に広報することだ。
ホコリを被った電源プラグや、タコ足配線のせいでしょっちゅう熱を帯びているテーブルタップが、命の危険さえ招くものなのだということを知らない入居者も、世のなかにはたくさんいるためだ。
彼ら・彼女らのひとりでも多くがそうしたリスクに気付いて心配りするようになれば、事故の可能性が減るとともに、オーナーの資産からも、リスクがその分だけ遠ざかることになるだろう。
やることといえば、ちょっとした文面を紙1枚に仕上げて、これをコピーし、配るだけだ。コストのかからない「入居者Win・オーナーWin」のアクションをぜひ多くのオーナーや管理会社に実行してほしい。
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編集者・ライター
賃貸住宅に住む人、賃貸住宅を経営するオーナー、どちらの視点にも立ちながら、それぞれの幸せを考える研究室