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最強の観光地はどこだ? 北海道? 京都? 沖縄? いえいえ、それは福島県のあの場所(2/2ページ)

朝倉 継道朝倉 継道

2021/11/15

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ほかの人気エリアを超える「会津の8ポイント」とは?

そこで、いよいよ会津を見てみたい。なお会津には、北海道の大平原、沖縄の珊瑚礁の海といったほかに突出した要素は存在しない。ただ、ポイントが獲得できる合格点以上の要素を拾っていくと、これらを面白いように次々モノにできていく。福島県の一部という、北海道や沖縄県全域などに比べると圧倒的に狭いエリアであるにもかかわらずだ。

論より証拠。並べてみよう。

風景5大要素(会津の場合)

「城」
会津若松市の鶴ヶ城(若松城)。天守は再建だが造りがよくスケールも壮大


鶴ヶ城(若松城)/©︎mtaira・123RF

「社寺」
会津はいわゆる仏都。貴重な文化財を擁する古社寺が集中する地域


重要文化財の会津さざえ堂/©︎terkung01・123RF

「水景」
猪苗代湖と裏磐梯湖沼群による印象の異なる組み合せが特に絶妙

「山景」
磐梯山、尾瀬など、会津は山と高原の優れた景観にあふれた地域のひとつ


猪苗代湖から望む磐梯山/©︎mtaira・123RF

「街景」
大内宿、蔵の町・喜多方と、会津は貴重な風景の残るスポット2つを擁している


蔵の町・喜多方/©︎yokokenchan・123RF

体感3大要素(会津の場合)

「温泉」
歴史ある東山温泉、秘境の湯・桧枝岐温泉など、名湯が各所に点在する


東山温泉街/©︎torsakarin・123RF

「グルメ」
全国ブランド「喜多方ラーメン」を擁するのが会津。酒どころとしてもよく知られている。山間地らしい工夫に満ちた料理や食材にも逸品が多い


日本3大ラーメンのひとつ 喜多方ラーメン/©︎torsakarin・123RF

「歴史と文化」
何より日本最後の内戦である戊辰戦争の大舞台。武家文化が花開いた拠点のひとつともいえる

――以上、会津はすべてが合格点に達する。満点8ポイントをゲットだ。

いかがだろうか。このとおり、大きなお城、古いお寺、きれいな湖、美しい山、歴史の大舞台、タイムスリップしたような家並み・町並みと、これらを観てきたうえで、さらに「地元の美味しいものを食べたい」「温泉にも入りたい!」といった超わがままなリクエストにも、会津はしっかりと応えてしまう。いわばイイモノなんでもアリな、すごい観光地が実は会津だ。

なお、同じような場所は、ほかに挙げるとすれば信州・長野県しかないが、こちらはエリアが広い。会津はそれに比べると面積として半分にも満たない。ずっとコンパクトだ。

よって、こうした凝縮性も考えたうえで、私が思う日本最強の観光地は、福島県会津若松市を中心とした会津地方となるわけだ。

日本の美しい風景を一箇所で根こそぎ観てしまいたい外国人がもしもいれば、一番に推してあげるべき地域こそが、まさに会津といえるだろう。 

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この記事を書いた人

コミュニティみらい研究所 代表

小樽商業高校卒。国土交通省(旧運輸省)を経て、株式会社リクルート住宅情報事業部(現SUUMO)へ。在社中より執筆活動を開始。独立後、リクルート住宅総合研究所客員研究員など。2017年まで自ら宅建業も経営。戦前築のアパートの住み込み管理人の息子として育った。「賃貸住宅に暮らす人の幸せを増やすことは、国全体の幸福につながる」と信じている。令和改元を期に、憧れの街だった埼玉県川越市に転居。

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