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名古屋の復調、ボールパークの町、サーフィン…21年「基準地価」注目すべきトピックス (3/3ページ)

朝倉 継道朝倉 継道

2021/10/07

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サーフィンの町がオリンピックでさらなる脚光

さらに、今回の発表のなかで、国交省がピックアップしてコメントを付している町のひとつを紹介したい。千葉県一宮町だ。今回の基準地価では、住宅地で2.6%の上昇、商業地で7.3%の上昇となっている。いずれの数字も千葉県下1位となっている。

上記コメントをそのまま引用しよう。

「住宅地については、都心からのアクセスの良さから主にサーフィンを愛好する層に注目されていたことに加え、コロナ禍においてサーフィン愛好者だけに特化しない移住・セカンドハウスを求める需要の広がりから、地価が上昇している」

「商業地については、町内の供給対象地域が限定的であることから住宅地需要との競合により、地価が上昇している」

コロナ禍による移住、別荘地等の需要については、軽井沢など、たしかに盛り上がりを見せているところ、一方そうでもないところと、場所により差が生じているが、一宮町はどうやらそのうちの勝ち組らしい。

なおかつ、この一宮町だが、ご存じのとおり、この夏のオリンピックでサーフィン競技の会場となり、その雄大な景色が一躍全国に知られることになった。勝ち組の町が、さらに大きなインパクトを日本中の人々にもたらし、さらに有名になったかたちだ。

今後の地価動向や、まちづくり、町政運営など、どう推移していくのか、大変気になるホットな町のひとつといえるだろう。

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この記事を書いた人

コミュニティみらい研究所 代表

小樽商業高校卒。国土交通省(旧運輸省)を経て、株式会社リクルート住宅情報事業部(現SUUMO)へ。在社中より執筆活動を開始。独立後、リクルート住宅総合研究所客員研究員など。2017年まで自ら宅建業も経営。戦前築のアパートの住み込み管理人の息子として育った。「賃貸住宅に暮らす人の幸せを増やすことは、国全体の幸福につながる」と信じている。令和改元を期に、憧れの街だった埼玉県川越市に転居。

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