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名古屋の復調、ボールパークの町、サーフィン…21年「基準地価」注目すべきトピックス (2/3ページ)

朝倉 継道朝倉 継道

2021/10/07

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名古屋の復調

今回の基準地価におけるトピックのひとつが、国内3番目の大都会・名古屋における地価の復調だ。商業地のデータを見比べてみよう。

「2021年の商業地における対前年平均変動率~3エリアを比較」

出典/国土交通省「令和3年都道府県地価調査」

このとおり、名古屋エリアにおいては下落を示す数字がない。

東京エリア、大阪エリアに比べてのこうした状況については、やはり、インバウンド需要の影響がそれをひもとくカギのひとつとなるだろう。訪日客需要への依存度が、コロナ禍以前には高く、それが消え去ったことによる商業地地価へのダメージが大きい東京や大阪(特に大阪)に対して、そうではなかった名古屋の特徴が、よく表れているものといえそうだ。

ちなみに、商業地地価下落率の全国1位は、大阪市の「中央区宗右衛門町7-2」でマイナス18.5%。2位も同じく大阪市の「中央区難波3-4-16」でマイナス16.6%となっている。

ボールパークの町、再開発が活気を生んでいる街

今回の基準地価でひときわ目立つ町のひとつが、北海道の北広島市だ。住宅地上昇率全国TOP10の2位、3位、4位、商業地上昇率TOP10の5位、さらには工業地TOP10の3位にも名を連ねている。

この町では、現在、プロ野球・北海道日本ハムファイターズの新球場を含む複合施設、いわゆるボールパークの建設が進んでいる。大規模集客施設の開発が起爆剤となっての地価上昇が、いままさに盛り上がっているところといえるだろう。隣接する恵庭市、江別市も併せると、これら3市内の基準地が、住宅地の上昇率TOP10のうち6つを占める状態となっている。

一方、大都市中心部での再開発が地価を押し上げているのが福岡市だ。商業地の上昇率全国TOP10のうち、1~4位、6、7、10位をずらりと独占している。加えて8位にも、周辺の太宰府市にある基準地がランクインしている。両市合わせて、10のうち8つの順位を占める圧倒ぶりとなっている。

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この記事を書いた人

コミュニティみらい研究所 代表

小樽商業高校卒。国土交通省(旧運輸省)を経て、株式会社リクルート住宅情報事業部(現SUUMO)へ。在社中より執筆活動を開始。独立後、リクルート住宅総合研究所客員研究員など。2017年まで自ら宅建業も経営。戦前築のアパートの住み込み管理人の息子として育った。「賃貸住宅に暮らす人の幸せを増やすことは、国全体の幸福につながる」と信じている。令和改元を期に、憧れの街だった埼玉県川越市に転居。

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