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もう国に任しておけない 賃貸トラブルのパイオニア的存在が 高齢者の居住問題と誰もが抱える老後問題に一石を投じる(2/6ページ)

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賃借権は相続されるという大きな壁

賃借人が死亡しても賃借権は相続されるため、家主は勝手に残置物を処分することはできない。

亡くなった賃借人には身内がいない、いたとしても交流がない場合が多く、相続人は『一任します』と権利を放棄し関わらないケースがほとんどだ。何度連絡しても返信がないケースも多い。このように時間と労力をかけて相続人を探しても迷惑がられるだけで、仮に家賃滞納があったとしても、結局裁判所での手続きを取らないと解決できない。

「万が一のときに賃貸借契約を解約できるような法律がないと、今後高齢者の居住問題が解決することはないと長年思い続けていました」(太田垣氏)

2021年光明が差し込む

しかし、この状況では今後の高齢化に対応できないと焦ってのことであろうか、2つの大きな動きがあった。

一つは、今年の2月に、国交省と法務省から高齢単身者に限り、賃貸借契約の解除と残置物の処分を第三者に委任してもよいと認める内容のモデル契約条項が策定された。依頼された事務処理を委任者死亡後も受任者が行う「死後事務委任契約」を活用したものである。この発表により、生前に委任されていれば、死後現在のような賃借権の相続に振り回されずにすむことになった。

さらに今年5月、国交省は過去に人の死が生じた不動産、いわゆる「事故物件」について、不動産業者(貸主・売主)が売買・賃貸の契約者(借主・買主)に告知すべき対象などをまとめたガイドライン案を初めて公表した。 病死、老衰など、いわゆる自然死は事故物件とはならず、貸主・売主は借主・買主に対して「告知の必要はない」と明記し話題になった。

つまり高齢者が賃借している部屋で事件性なく亡くなった場合、事故物件にはならないとの見解が示されたのだ。

今までグレーな基準で、司法書士として足を踏み入れることができなかったが、この流れができたことで、高齢者にとっても家主にとっても必要なサービスを提供することに迷いはなかった。

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