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マンション、タワーマンション、テラスハウス…住まいの呼び方、ただいま混乱中(2/4ページ)

朝倉 継道朝倉 継道

2021/07/05

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なぜなのか? 一気に分析までしてしまおう。

それはセーフティネットのための施設である色合いが濃い住宅をマンションとは呼ばない不文律が、おそらくわれわれの社会に存在するからだ。つまり、マンション=豪邸という本来の意味は、言霊のようにして、ここに生き残っている。

さて、そんな曖昧な「マンション」だが、2000年に、ややこしい“事件”がもうひとつ起きている。

「マンションの管理の適正化の推進に関する法律」の公布がそれだ。

これにより、マンションの語は法令用語となり、さらに定義も設けられた。そこで、ざっというと、この法律では分譲マンションのみをマンションと呼ぶことにしている。そうでない賃貸マンションは、マンションの範囲から外された。

そもそもの英語の意味との違いに始まり、マンションという言葉には、ここでさらに混乱の要素が加わったことになる。

タワーマンションってそんなに低かったの?

「タワーマンション」の基準は? イメージ/paylessimages

マンションのなかにはタワーマンションと呼ばれるものもある。文字どおりタワー(塔)といえるような、細く、高く、天を衝く建物だ。

このタワーマンションという言葉には公式な定義はない。が、近年おおむね一個の基準に収斂しつつある。それは、建築基準法の条文を根拠とした、「高さ60m超」というモノサシだ。

そのうえで、60m=階数にすると20階建て程度ということで、20階建て以上のマンションをもってタワーマンションと呼ぶ例が、いまはかなり見られるようになってきている。

しかし、この60mという高さ、実際に眺めてみても分かるが、結構低いのだ。ちなみに、東京ドームのグラウンド面からの天井高が61.69mだという。

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この記事を書いた人

コミュニティみらい研究所 代表

小樽商業高校卒。国土交通省(旧運輸省)を経て、株式会社リクルート住宅情報事業部(現SUUMO)へ。在社中より執筆活動を開始。独立後、リクルート住宅総合研究所客員研究員など。2017年まで自ら宅建業も経営。戦前築のアパートの住み込み管理人の息子として育った。「賃貸住宅に暮らす人の幸せを増やすことは、国全体の幸福につながる」と信じている。令和改元を期に、憧れの街だった埼玉県川越市に転居。

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