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新型コロナ後、インバウンドの考え方は ガラリと変わる(3/4ページ)

小川 純小川 純

2020/06/29

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アフターコロナ 「絆」が、より大切に

——今回の新型コロナウイルスでは、学校への入学を9月に変えるなど「社会変革のきっかけに」という意見もある。アフターコロナのインバウンドビジネスで必要なものとは何か。

ポイントは4つあります。

1つ目は量から質への転換です。新型コロナ前はオーバーツーリズムという局所的に観光客が集中するといった問題がありました。そこでもインバウンドにおいても量より質だという流れの中で、今回のコロナ禍によってこうした流れがさらに強まっていくと思っています。このコロナ禍が収束し大量に外国人観光客が押し寄せれば、コロナだけでなく別の感染症リスクについても宿泊施設、飲食店など色々な事業者が気にしはじめるでしょう。そうした質を意識した取り組みができるかがポイントになると思います。

2つ目は、今回のコロナ禍が収束しても、以前の訪日外国人数にはなかなか戻らないと思っています。また、観光需要の回復は国内からになると私は予想しており、インバウンド頼りの回復を期待していては、経営が保つのかという懸念があります。そこで考え方として「回復は国内から」というのを意識したうえでの取り組みや戦略が必要になると思います。

3つ目はデジタルシフトです。DX(デジタルトランスフォーメーション)の重要性が語られていますが、今回の件であらゆるものがデジタルにシフトしていく流れが加速するでしょう。それはSNSや動画はもとより、テレワーク、ネットを使った公的な申請などが当たり前になります。そこで宿泊事業はエアビーなどOTAだけに頼るのではなく、自分たちでもSNSの活用や、自社サイトを使い自らが発信し、顧客のつながりを作っていく、そういったことも重要になります。

4つ目は、絆がより大切になってくると思います。例えば、飲食店ではテイクアウトを始めていますが、逆にいえばこうしたデリバリーで非常に競争が激しくなっています。したがって、ただデリバリーをやっているだけでは埋もれてしまいます。そこでは普段から顧客との絆がしっかりしているところ、関係性をしっかり構築できているところが、ネット上でビジネスを展開しても強いということです。

今回のコロナ禍においても地元のファンや固定客がいることによって応援してもらえる店舗も数多くあります。そういう応援される関係を作っていけるかが今後のカギになると感じています。

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この記事を書いた人

編集者・ライター

週刊、月刊誌の編集記者、出版社勤務を経てフリーランスに。経済・事件・ビジネス、またファイナンシャルプランナーの知識を生かし、年金や保険など幅広いジャンルで編集ライターとして雑誌などでの執筆活動、出版プロデュースなどを行っている。

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