東京都(品川区) 人情溢れる戸越銀座商店街 大将と女将が暖簾を守る『魚がし寿司』のいくら軍艦(2/2ページ)
ねこやま大吉
2021/07/09
戸越銀座『魚がし寿司』
駅の自動改札を出てからかれこれ2時間半……。商店街を2往復もすれば、案の定、お腹のEmpty警告灯が点滅。飲食スタンドがずらり並ぶここは戸越銀座。とにかくすべての価格が庶民的で安い。和洋折衷目移りするが、今日は外出一歩目から「Door to 寿司屋」と決めていたので、美味しそうな寿司メニュー&清潔感ある真っ白な暖簾にひかれてここに入る。創業1985年(昭和60年)。36年の年月を夫婦で暖簾を守る、魚がし寿司だ。
ソーシャルで透明な盾があるカウンターに座り、まずは喉を潤す。新鮮で旨そうなショーケースの魚を見れば、まずは刺身を食べたくなり1人前造ってもらう。
鮪鰤鰹鯵蛸帆立。
“角が立つ刺身”は鮮度抜群の魚と大将が持つ技の賜物。旨い……。
特に鮪・鰤と帆立は噛むほど甘みがあり、口に残る旨味が喉越しでも感じられる。やはり寿司屋の刺身はまったく違う。鮮度がいいうちに褄(つま)までたいらげた。
次に寿司を。上寿司・特上寿司・特々上寿司で悩んでいるとカウンター越しに大将と目が合う。その目には「特々上寿司」のサインが。これは頼むしかない。
握り9個に巻物1本。雲丹、いくらの軍艦は、小生が食べた寿司のなかでもベスト3に入る。ほかのネタから食べ、最後にどちらを先に食べるか迷ったが、いくらから口にする。程よくシャリがほどける頃、無数のいくらが濃厚な旨味を口の中で放出させる。この一瞬がいくら軍艦の醍醐味である。そして黄金に輝く雲丹。
寿司を堪能し、ふと見渡せばカウンターには小生しかいない。
ほかの客人は寿司を平らげ帰ってしまったことに気付く。〆ようかと考えたが最後にもう一度至福を。いくら一貫と筋子巻きを口に頬張る。ネタもさることながら、シャリと海苔のよさに改めて気づかされる。
野球も始まり休憩に出てきた大将と女将さん。戸越銀座の歴史、商売の難しさなど貴重な話をさせてもらい、〆てもらった。
下町の江戸っ子気質がまだまだ残る戸越銀座。人情深いとはこのことだ。夫婦仲よく、末永く暖簾を守ってほしいと願うばかりである。
今回お邪魔したおいしいお店:『魚がし寿司』
住所:東京都品川区平塚2-18-5
交通:東急池上線「戸越銀座駅」下車徒歩3分/都営浅草線「戸越駅」下車徒歩5分
この記事を書いた人
編集者・ライター
長年出版業界に従事し、グルメからファッション、ペットまで幅広いジャンルの雑誌を手掛ける。全国地域活性事業の一環でご当地グルメを発掘中。趣味は街ネタ散歩とご当地食べ歩き。現在、猫の快適部屋を目指し日々こつこつ猫部屋を制作。mono MAGAZINE webにてキッチン家電取材中。https://www.monomagazine.com/author/w-31nekoyama/