賃貸一人暮らしの部屋で「同棲」したくなったらまずすべきこと(2/5ページ)
賃貸幸せラボラトリー
2021/08/17
そして「禁止・制限事項」だ。ここには、危険物の持ち込みや、楽器の演奏など、多くの「物件内でやってはいけないこと」の取り決めが明記されている。そこで、これらの中から、例えばこんなくだりを探してみてほしい。
「物件借主は、本物件の使用にあたり、物件貸主の書面による承諾を得ることなく、別表に掲げる行為を行ってはならない」
これは、裏を返せば、「貸主の書面による承諾を得た場合は、別表に掲げる行為を行ってよい」ということになるわけだが、そこで、指し示された「別表」を見てみよう。
すると、こんな記述が見つかるケースが多いはずだ(別表ではなく、条文内に直接書かれている場合もある)。
「居住者氏名欄に記載する入居人に、新たな入居人を追加(出生を除く)すること」
お分かりだろうか?
つまりは、さきほど挙げたように、物件使用目的の段階では「同棲はダメ」と、一旦シャットアウトされていたとしても、ここで状況は大きく違ってくる。すなわち、門前払いは、事実上撤回だ。
「同棲したいなら、貸主(大家・オーナー、あるいは窓口である管理会社)に相談してください」が、この契約書における最終結論となるわけだ。
ちなみに、以上のような契約内容のパターンは、単身用の1Kやワンルームにも、実は広く採用されている。2DKや1LDKなどいわゆるカップル向けの物件や、さらに広いファミリー向け物件ばかりに限らない。
なので、現在単身用物件に住んでいる人でも、ぜひ試しに手元の契約書を開いてみてほしい。かなりの確率で、上記と同じ“結論”が盛り込まれているはずだ。
他方、例は少ないと思われるが、「1名の居住のみ認める」「複数での入居は不可」など、複数人居住の禁止がはっきりと念押しされている場合は、もう仕方がない。その部屋での同棲は、スッキリと諦めることだ。
なぜなら、いうまでもなく、それはオーナー側の譲れない強い意志の反映にほかならないからだ。
また、繰り返すが、以上のようなことがらについては、契約書によって表記のし方や条文の構成等にそれぞれ違いがある。
例えば、物件使用目的や禁止・制限事項のところには何も触れられていなくとも、特約事項として、「貸主の承諾がなければ入居人員を増やせない」(=承諾があれば増やせる)などと記されている例も見かけられる。目をサラにして、よく探してみよう。
この記事を書いた人
編集者・ライター
賃貸住宅に住む人、賃貸住宅を経営するオーナー、どちらの視点にも立ちながら、それぞれの幸せを考える研究室