「共済」の地震保障はどこまでカバーされる?――保険との組み合わせは(3/3ページ)
平野 敦之
2021/08/16
ここまで主に全国的な展開をしているいくつかの共済の地震災害に関連する保障について確認してみました。
制度や仕組みが損保の地震保険と違うのはもちろんですが、共済によっては保障が異なります。このことを前提に損保の地震保険と比較的似ている点は次のようになります。
・少額の損害については対象にならないか、保障される金額もわずか
・加入や支払いについても一定の制限がある
とはいえ、地震災害に対する保障の基本的なスタンスそのものはそんなに変わりません。
また、JA共済の建物更生共済むてきプラスのような積立型を除くと、火災共済は基本1年契約です。火災保険・地震保険のような長期契約はありません。
保障が不足する場合の対処法
なかには地震や噴火、津波などの災害が心配なので共済に加えて、もう少し保障をつけておいたいというケースもあるでしょう。
損保の場合、最近はいくつかの会社が地震保険に自社で独自の上乗せ保障をつけているケースもでてきていますが、こうしたプラスαの保障がつけられるものは共済にはありません。
では、どうするか。方法は限定されますが、いくつか考えられる方法を挙げてみます。
・少額短期保険の地震補償保険に加入
SBIグループでは、地震補償保険という独自の保険を発売しています。
これは火災保険への加入の必要はなく、単独で加入可能で最高900万円まで補償をつけることが可能です。保険金の支払いは自治体の罹災証明に基づいて行われます。
・家財だけ別に損保で加入
家財だけ別に火災保険に加入し、そこに地震保険を付帯するという方法もあります。
注意が必要なのは同じ家財を対象として共済と損保に重複して加入しないということ。重複して加入しても、支払いはされないので、掛金が無駄になります。
保険でも共済でも地震災害で住まいが全壊した場合、やはり補償は不足します。住宅ローンの有無など状況に応じて、いろいろな商品を組み合わせていてはいかがでしょうか。
【この著者のほかの記事】
新型コロナでは特例措置もある チェックをしておきたい「契約者貸付制度」
ドラレコ特約付き自動車保険――市販のドラレコとの違いと特徴、選び方
持病があっても大丈夫 「引受基準緩和型保険」加入の際に気を付けたいポイント
この記事を書いた人
平野FP事務所 代表 CFP ®認定者、1級FP技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
東京都出身。証券会社、損害保険会社を経て実務経験を積んだ後に1998年から独立して活動をはじめてFP歴20年以上。また相談業務を受けながら、中小企業の支援にも力を入れている。行政機関や大学での非常勤講師、企業研修などセミナーや講演も多数。メディアでの執筆記事も多く、WEBに公開されているマネー記事は550本以上。2016年にお金の情報メディア「Mylife Money Online」の運営を開始。主な著書に「いまから始める確定拠出年金投資(自由国民社)」がある。誰もが自分らしい人生を安心して豊かに過ごすため、「お金の当たり前を、当たり前に。」をモットーに活動中。「Mylife Money Online」のURLはコチラ→ http://mylifemoney.jp