「共済」の地震保障はどこまでカバーされる?――保険との組み合わせは(2/3ページ)
平野 敦之
2021/08/16
■こくみん共済coop(全労済) 「住まいる共済」
住まいる共済は「火災共済」と「自然災害共済」の組み合わせで保障内容が変わります。
・火災共済のみ
・火災共済+自然災害共済(標準タイプ)
・火災共済+自然災害共済(大型タイプ)
火災共済だけでは地震災害等の保障が付帯していないため、地震に備えるためには「自然災害共済」にも加入する必要があります。
被害の程度により共済金の支払い金額が変わり、「全壊・全焼」「大規模半壊・大規模半焼」「半壊・半焼」「一部壊・一部焼」の4段階で判定されます。
標準タイプは最高1200万円、大型タイプは最高1800万円の地震等共済金が支払われます。少額の損害の場合、地震等特別共済金が支払われます。
条件としては、住宅の損害額が20万円超100万円以下の場合が対象です(加入保障額が200万円(20口)以上の場合)。標準タイプで一世帯当たり3万円、大型タイプで4.5万円になります。
この補償額では高額な物件では保障が不足するケースがあるでしょうが、1800万円ということは損保の地震保険でいうと火災保険で3600万円(地震保険は50%で1800万円)と近い契約金額になるイメージです。
■JA共済 「建物更生共済むてきプラス」
JA共済には、「火災共済」と「建物更生共済むてきプラス」の2つがあります。
火災共済には地震等の損害は保障されていないため、建物更生共済むてきプラスでの対応になります。この商品は積立型のため、現在の金利情勢では賛否両論あるでしょうが、それについては一旦置いて解説します。
この保障も地震や地震による津波や噴火などまでカバーされています。その保障額は、損害額の50%が限度になります。
実際の地震共済金の支払いは、損害の額×(火災共済金額/共済価額)×50%
で計算されます。
JA共済の特徴の一つは、建物や家財だけでなく畜舎・堆肥舎といった特定建築物や営業用什器備品も対象になることです。これらが必要な人は検討してみるといいでしょう。
この記事を書いた人
平野FP事務所 代表 CFP ®認定者、1級FP技能士、宅地建物取引士、住宅ローンアドバイザー
東京都出身。証券会社、損害保険会社を経て実務経験を積んだ後に1998年から独立して活動をはじめてFP歴20年以上。また相談業務を受けながら、中小企業の支援にも力を入れている。行政機関や大学での非常勤講師、企業研修などセミナーや講演も多数。メディアでの執筆記事も多く、WEBに公開されているマネー記事は550本以上。2016年にお金の情報メディア「Mylife Money Online」の運営を開始。主な著書に「いまから始める確定拠出年金投資(自由国民社)」がある。誰もが自分らしい人生を安心して豊かに過ごすため、「お金の当たり前を、当たり前に。」をモットーに活動中。「Mylife Money Online」のURLはコチラ→ http://mylifemoney.jp