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老後のライフスタイルで考えてみたい――年金の受け取り年齢の違いでどこまで差が出るか?(4/4ページ)

小川 純小川 純

2021/07/30

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“年の差配偶者”なら繰り下げ受給より加給年金のほうがお得

また、厚生年金を受給する人には年金の家族手当のような配偶者や子どもに加算される「加給年金」というものがある。加算される額は年額(令和2年度価額)は、配偶者は22万4900円、子どもは2人目までは1人につき22万4900円、3人目から7万5000円だ。

この加給年金の受給要件は次のようになる。

1)厚生年金の被保険者期間が20年以上
2)配偶者は65歳未満、被保険者が生計を維持していること
3)子どもは18歳未満で被保険者が生計を維持していること

この加給年金は配偶者が65歳になった時点でこの支給はなくなる。また、加給年金は年金の繰り上げ、繰り下げ受給を行うと受給できなくなる。

寿命を85歳ととして、繰り下げ受給を行った場合と、繰り下げ受給を行わず加給年金を受け取ったとすると、受給総額でどちらが多くなるだろうか。

その分岐点は、配偶者との年齢差が12歳以上になると、繰り下げ受給よりも加給年金を受け取ったほうが、計算上は受給総額が多くなる。有り体にいえば、若い配偶者であれば受給期間が長くなり、その分受給額も多くなるというわけ。

年金受給と一口にいっても、早く受給開始するか、受給開始時期を遅らせて月々の受給額を多くするか、それとも自分の寿命をシミュレーションして受給総額のMAXを狙うか、その方法は複数ある。自らの老後のライフプランに合わせた、年金の受け取り方も考えてみたい。

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この記事を書いた人

編集者・ライター

週刊、月刊誌の編集記者、出版社勤務を経てフリーランスに。経済・事件・ビジネス、またファイナンシャルプランナーの知識を生かし、年金や保険など幅広いジャンルで編集ライターとして雑誌などでの執筆活動、出版プロデュースなどを行っている。

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