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増える高齢者の自己負担――認知保険・介護保険選び方のポイントとは?(2/2ページ)

小川 純小川 純

2021/06/15

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細かなタイプに分かれる「介護保険」

一方、介護保険は登場から認知症保険に比べて発売時期先行していることもあって種類も多い。

保障のタイプは1回にまとまった給付金が出る「一時金タイプ」と月々決まった保険金が継続して出る「年金タイプ」、両方を併せ持つ「両用タイプ」の3つ。また、年金型については給付が一生涯保障される「終身型」と、一定期間保障される「定期型」がある。

支払基準は保険各社でバラつきがあって公的介護に合わせたもの、保険会社独自の基準のものがある。公的介護の基準に連動したものが主流だが、保険会社独自のもののなかには、公的介護よりも保障の範囲が広いものある。

給付の基準は「一時金型」は、要介護3あたりが主流で、支払回数は1回に限ったものが多い。

一方、年金型は「要介護1」から出る保険もあれば、「要介護度4」にならないと出ないものがある。さらに給付金額が要介護度と連動していて、要介護度が上がると給付金が多くなる。また、額は多くはないが、要支援でも一時金が出るもの登場している。

保険料は認知症保険、介護保険ともに給付金額にもよるが、50代での加入場合は、5000円台からあたりからだ。ただし、年金型は女性のほうが若干高い。

会社によって違いがのある認知症保険、介護保険だが、介護保険は「男性は一時金型、女性は年金型」といわれる。これは女性のほうが平均寿命が長いため、長くカバーされるほうがよいということのようだ。とはいっても、どちらがいいとは一概には言えない。

また、年金型は終身と定期がある。終身型のほうが安心できるが、どちらがいいかは一概に言えない。というのも、結局のところ、どちらを選択するかは寿命と保険料のバランスということになるからだ。

生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」/平成30年度によれば、介護機関の平均は54.5カ月(4年7カ月)のため、それほど長くなくてもよい考え方もある。

いずれにしても、選び方のポイントしては要介護度がいくつで給付金が出るかということになる。つまり、もらいやすいかどうか。これは介護保険だけに限らない保険選びの見極めのポイントになるだろう。そのほか支給要件、付帯サービスの違いもあるため、細かなところまでチェックしたい。

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この記事を書いた人

編集者・ライター

週刊、月刊誌の編集記者、出版社勤務を経てフリーランスに。経済・事件・ビジネス、またファイナンシャルプランナーの知識を生かし、年金や保険など幅広いジャンルで編集ライターとして雑誌などでの執筆活動、出版プロデュースなどを行っている。

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