うつ、統合失調症…「こころの病」に保険はどこまで対応できるのか?(2/2ページ)
内田 まどか
2021/06/11
こころの病に対応した保険加入の前に
精神疾患の場合、入院は長期化する傾向にあり、再発リスクや一度病気になると「完治」が分かりにくいため、加入するにはかなり条件が厳しくなります。まずは市区町村が窓口になっている「医療費の助成」や「手当」、会社員であれば「傷病手当金」など、公的な制度でどこまでカバーできるのかを確認し、何に対しての保障が欲しいのかを整理しておきましょう。
一般的に5年以内に治療履歴があると、通常の保険に入るのは厳しいでしょう。
既往歴があったとしても入りやすいといわれる引受基準緩和型の保険でも、過去の給付歴などにより必ずしも加入できるわけではないようです。また、加入できる保険があったとしても、現在治療している病気は保障の対象外になったり、保険料が割増されたりといった条件が付く場合もあります。
どのような条件が付くのか調べるのと同時に、引受基準緩和型の保険や無選択型の保険の保障範囲や保障内容を調べ、自分が欲しい保障と合うかどうか比較してみましょう。がんだけを保障するがん保険であれば、精神疾患の既往症があっても加入しやすいところが多いようです。
まずは今、加入している保険があるのならばできるだけ生かせるようにし、解約や減額する場合は慎重に行いましょう。
元気なときは、なかなか病気などのことに向き合うことはないかもしれませんが、家にいることが多くなった今、一度、リスクに対してしっかり向き合って見直ししておきませんか?
この記事を書いた人
ファイナンシャルプランナー
東京都出身。1997年にFP資格取得後、損害保険代理店・生命保険代理店・FP事務所を開業(現在、保険分野は他代理店と合併)。「万が一」のためだけではない、生きていくための保険の入り方から、住宅取得、転職、早期退職など、夢や希望を叶えるための個人相談を中心に活動している。