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親に忖度――空気を読む子どもたち(3/3ページ)

しばはし聡子しばはし聡子

2021/07/27

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・好きにするよ(中高校生)

中学生や高校生にもなると、「自分を巻き込まないでほしい」という気持ちが強くなってきます。話し相手にもなりやすいため、つい夫の悪口を伝えたり離婚をしようか悩んでいるなど相談相手にしていまいがち。ただ、子どもはカウンセラーではありません。今後、親が離婚したら自分はどこに住むことになるのか、行きたい学校には通えるのか、など自分の進路に関わってくることや生活環境面や経済面への具体的な不安が増えていきます。

離婚する事実をきちんと事実を伝えたうえで、親から子どもへのトップダウンではなく、今後の生活の見通しや選択肢を説明し子どもと相談しながら決めるのもひとつです。当然自分と一緒に住むものだと思っていても、もしかしたら引っ越すよりは自宅に留まりたいから父親と住むと言い出すかもしれません。不安に思っていることをヒアリングし、質問しやすい環境をつくるように心がけましょう。

この時期はただでさえ思春期や反抗期で会話が少なく本心を聞けないことも多いかもしれません。ただ、子どもの人生にとっても大事なことですから、「言わなくても察知してくれている」「きっと分かってくれるだろう」と曖昧にするのではなく、きちんと向き合って話す時間をつくるようにしましょう。子どもの意向を取り入れたいというスタンスで話すようにするとよいですね。

子どもの成長度合いによっても変わってきますので、子どもの様子をよく見てあげること。そして、離婚となると、つい自分の感情を優先してしまいがちですが、お子さんがいるご家庭での離婚は、何よりまず子どもの気持ちを理解しておくことが大切ですね。

 

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この記事を書いた人

一般社団法人りむすび 共同養育コンサルタント

1974年生まれ。慶應義塾大学法学部卒。自身の子連れ離婚経験を生かし当事者支援として「一般社団法人りむすび」を設立。「離婚しても親はふたり」共同養育普及に向けて離婚相談・面会交流支援やコミュニティ運営および講演・執筆活動中。 *りむすび公式サイト:http://www.rimusubi.com/ *別居パパママ相互理解のオンラインサロン「りむすびコミュニティ」 http://www.rimusubi.com/community *著書「離婚の新常識! 別れてもふたりで子育て 知っておきたい共同養育のコツ」️

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