すべての親へ贈るエール 両親の離婚を娘の視点で切り取ったメッセージ(後編)(2/2ページ)
しばはし聡子
2021/05/17
ーー離婚して離れることになったお母さまからの愛情を感じるときはどんなときでしたか。
母は離れた後もそんなに頻繁にメッセージをくれなかったんです。私と距離を置くことで、自分も耐えていたかもしれないし、私にもこの状況で頑張ってほしい、っていう強いメッセージだったのかな、といまは思っています。
母が家を出たあとに弟と3人で会うこともありましたし、母もそこで寂しいとかは言わなかったですね。でも、母とのやり取りでするメッセージでは言葉に思いやりを感じます。
子どもとしては、母が会いたいとかさみしいとか言ってくれても嬉しいは嬉しいですけどね。私の場合は、母が家を出て行った当初は、毎日会いたい思いを抱えていましたが、母は自分の気持ちを私に伝えてくることはなかったので、私から会いたいと言いづらかったという思いがあったんです。
もしも離れて暮らすお子さんと連絡がなかなかできない状況があるとしたら、それはやっぱり周囲が子どもをサポートしてあげてほしいと思います。
「子どもが可哀そう」と言われても自分を責めないで
ーーこれからのビジョンをお聞かせください。
いまは別の仕事をしていますが、できるならすぐに親の離婚を経験した子どもたちの心のサポートをさせていただきたいと思っています。なかなか相談できる人がいないと思うので。
ーー同居親さん、別居親さんに向けてメッセージをお願いします。
離婚って子どもが被害者に映ることが多いと思いますが、親も子どものことを考えてやむなく出した答えだと思うので、周りに離婚したことを伝えたときに「子どもが可哀そう」とか言われることがあったとしても、自分を責めないでほしいです。
それから、もしも子どもと離れることになったり、親権が相手にいってしまったとしても、子どもにとって親は絶対ふたり。お父さんとお母さんっていう子どもにとってはかけがえのない存在です。だから離れているからって自分は何もできていない、とか関われていないとか、そういったことはないと思います。
離婚された親御さんに思うのは、自分を責めないでほしいし、子どもは絶対親のことを愛しているし、忘れることはない、大切に感じていると思うので、責任感に苛まれずに、ご自身の幸せを考えて、ご自身の気持ちも大切にしてほしいです。子どもの立場から言うと、親が幸せなことが一番幸せだから。
この記事を書いた人
一般社団法人りむすび 共同養育コンサルタント
1974年生まれ。慶應義塾大学法学部卒。自身の子連れ離婚経験を生かし当事者支援として「一般社団法人りむすび」を設立。「離婚しても親はふたり」共同養育普及に向けて離婚相談・面会交流支援やコミュニティ運営および講演・執筆活動中。 *りむすび公式サイト:http://www.rimusubi.com/ *別居パパママ相互理解のオンラインサロン「りむすびコミュニティ」 http://www.rimusubi.com/community *著書「離婚の新常識! 別れてもふたりで子育て 知っておきたい共同養育のコツ」️