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離婚後、子どもが父親のことを話しますか〜共同養育コンサルタントしばはし 聡子コラム〜(2/2ページ)

しばはし聡子しばはし聡子

2018/12/19

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■一番やってはいけないのは「話題に出さないこと」

悪口を言っていなければセーフか。いえいえ、そんなことはありません。最もしてはいけないことは「全く父親の話をしないこと」。悪口ももちろんしてはいけませんが、父親の存在自体は母親も子どもも認識している前提です。ただ、全く話題に出さないということは、子どもにとって父親の存在の有無に関わってくることになりかねません。

「パパはどうしている?どこにいるの?」「僕のこと私のことを忘れてどこかへ行ってしまったの?」「もしかしてもう会えないの?死んじゃったの?」子どもにとってはわからないことや不安がつのるばかり。しかも、母親に質問しづらい環境であれば、誰にも相談できずに解決できず、小さな胸を痛ませてしまうことになります。

■会話に出せる雰囲気づくり

大事なのは、子どもがいつでも父親のことを話題に出したり質問をしたりしやすくなる雰囲気づくり。

夫婦の感情としては、関わりたくない元夫のことなど話題に出したくないのが本音でしょう。ただ、子どもにとっては唯一無二の実の父親。「パパ」「お父さん」という言葉を発しやすい環境を整えてあげることが母親のミッションです。

子どもが発しやすくするためには、母親自らが「パパ」「お父さん」というワードを会話に取り入れていくことが大事です。頻繁である必要はありませんが、「パパならどう思うかしら」「パパにも聞いてみよう」「パパに買ってもらおうか」など、会話の端々で肯定的に父親の存在を子どもに伝えていくことで子どもも自然と話しやすくなるでしょう。

■子どもは見抜く

「子どもが小さいから、話題に出さないまま再婚すれば、次のパートナーのことを父親だと認識するはず」「子どもにはもう少し大きくなったら話せばいいわ」と実の父親の存在を伝えることを後回しにすればするほど、子どもが大きくなってからでは取り返しのつかないことも。

子どもは父親と会えなかったのは母親の考えのもとだったと知れば、「なぜ会わせてくれなかったの?」「父親に会いたい」「戸籍を調べてみよう」「内緒で会いに行こう」と母親の意に反する行動に出ることもあります。さらには、会わせようとしなかった母親を軽蔑し恨むことさえありえます。

せっかく愛情かけて育てた子どもとの信頼関係が壊れないようにするためにも、今のうちから、きちんと父親の存在を伝え、会える環境を整えることが重要です。

■さいごに

夫婦の感情と親子関係を切り分けて考えることは難しいことではありますが、離婚に子どもを巻き込まないよう、そして、愛する子どもに対して自ら辛い思いをさせないためにも、親ができることをひとつひとつ考えていくことが大切ですね。

まずは、会話の中で「パパ」と子どもが言いやすい環境づくりを心がけていきましょう。

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この記事を書いた人

一般社団法人りむすび 共同養育コンサルタント

1974年生まれ。慶應義塾大学法学部卒。自身の子連れ離婚経験を生かし当事者支援として「一般社団法人りむすび」を設立。「離婚しても親はふたり」共同養育普及に向けて離婚相談・面会交流支援やコミュニティ運営および講演・執筆活動中。 *りむすび公式サイト:http://www.rimusubi.com/ *別居パパママ相互理解のオンラインサロン「りむすびコミュニティ」 http://www.rimusubi.com/community *著書「離婚の新常識! 別れてもふたりで子育て 知っておきたい共同養育のコツ」️

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