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頻発するカセットボンベの事故 注意すべきポイントは何か

多数の窓が割れ、火災、やけど、家屋の損壊も…手軽で便利だからこそ気を付けたいカセットボンベの扱い方(2/2ページ)

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穴あけ廃棄は危険

こうしたボンベに熱が加わってのかたち以外にも、カセットボンベの事故はほかの原因でも起こりうる。機器への装着が正しく行われずにガスが漏れるケースや、余ったガスをボンベから抜く作業をしていて、そのガスが引火してしまうなどだ。

例えば、コンロに火がつき、調理をしている部屋で、一方ではカセットボンベのガス抜き作業をするなど自殺行為にひとしい。同様に、ガス抜き作業中に近くでタバコに火をつけようとするなど、絶対にやってはいけないことだ。

なお、使いきれず、カセットボンベに残ったガスの処分については、缶に穴をあけて行う人がいるが、メーカーはこれを危険と呼びかけている。なぜなら噴出するガスを止められなくなるからだ。そこで、安全な方法としては……

・屋外の火の気のない風通しのよいところで
・カセットボンベの先端部を下に、コンクリートなどに押し付け、ガスを出す
・ガスが出なくなったあと、振って“サラサラ”と音がしなければガスは抜けている
メーカー「イワタニ」によるガイダンス

なお、空になったボンベは、各自治体の定めに従って、正しく廃棄するようにしたい。

狭い部屋ではボンベと熱源の接近が起こりやすい

以上、カセットボンベの事故にかかわる危険についてふれてみた。

いまや調理用カセットコンロのみならず、暖房器具(カセットガスストーブ、カセットガスファンヒーター)や発電機等にも使用されるカセットボンベは、われわれの身近にある頼れるグッズといっていい。災害時の備えとしても堂々の定番商品だ。

ただし、その内部には危険な可燃物が詰まっている。扱いにはデリケートさが要求される。ところが、カセットボンベは手軽で便利すぎるため、われわれはついそのことを忘れがちだ。

「うっかり」や「ぼんやり」あるいは「無知」による事故がそのため絶えることがない。自身の生命や身体、財産、さらには周りの人々のそれらも守るため、カセットボンベは誰もが厳重な注意をもって取り扱うことが肝心だ。

特に、賃貸住宅の狭い部屋での一人暮らしなどでは、カセットボンベと「熱源」との接近が起こりやすい。例えば、買ってきたボンベを立てておいたそばにあるファンヒーターや電気ストーブのスイッチをうっかりオン……いかにもありそうな場面となる。

入居者ひとりひとりが気を付けるほか、賃貸住宅オーナーや管理会社側も、注意の呼びかけを怠らないようにしておくべきだろう。 

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賃貸住宅に住む人、賃貸住宅を経営するオーナー、どちらの視点にも立ちながら、それぞれの幸せを考える研究室

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