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火のないところでも火事は起こる 持ち家も賃貸も、炎上させないために知っておきたいこと(2/2ページ)

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乾電池


イメージ/©︎hanasaki8739・123RF

棚の引き出しなどに普通に転がっている乾電池が、火災を引き起こす可能性もある。最近話題となった例が、昨年の8月に福岡市城南区で発生し、2階建て住宅兼事務所を全焼させた火事だ。原因が乾電池であったことが今年になり明らかとなっている。

報道によると、角型電池のプラス端子とマイナス端子(これらは同じ側に付いている)にボタン電池が接触し、ショートしたらしいとのこと。つまり、各種の電池をハダカのまままとめて保管するような行為は非常に危険ということだ。たとえ使用済みのつもりでも、電池に残った電力の有無は目では確かめられない。当然気は抜けない。

コンセント・プラグ・タップ・コード…配線器具


イメージ/©︎poko42・123RF

あらゆる電気製品を使うのに不可欠な電力を導くための配線器具。これらでも出火事故は起こりうる。

・ホコリや水分などの付着や浸入により、トラッキング現象が生じて発火
・コードなどに無理な力が加わり、断線してショート
・接続可能な最大消費電力を超える電気製品を接続したことで異常発熱

こうした例を読者も見聞きすることが多いだろう。

昨年の12月にNITEが「テレワークで大混雑~プラグ・コードの取り扱いに注意~」と題したリリースの中で示している、火災事故を避けるためのポイントが以下のとおりだ(要約)。

・電源プラグはしっかりと差し込む。プラグや差込口などにホコリが溜まっていないか確認し、あれば掃除する
・テーブルタップやコンセントと電源プラグとの接続部分に、水分や液体などが付着、侵入しないよう注意する
・電源コードを引っ張る、机や椅子の脚で踏むなど、無理な力を加えない
・接続可能な最大消費電力を確認し、これを超えるような使用をしない
・異臭や変色など、事故の予兆を見逃さない

しばらく片付けていないモノだらけの部屋の隅に隠れたコンセント……散らかった部屋の床の上でタコ足配線されているテーブルタップ……。そんな状況が身の周りに存在していないだろうか。ぜひ見回してみてほしい。

小さな電球による発火も 「電気あるところに火の気あり」

ここまでに6つの例をピックアップした。すでにお気づきの読者も多いだろう。これらはすべて「電気」が絡んだものだ。

つまりこういうことだ。「火の気は無くとも、電気あるところに火の気あり」――。

そのため、ほかにもあらゆる電気製品が、実際に思いがけない火災事故の原因になっている。例えば、クローゼットの天井に設置されたダウンライトの熱が、直下に積み上げられていた寝具を燃やした例など、起こる可能性を誰もが想像しにくいものだ。

電気ストーブならば「火の気」としてつねに注意を向けるところ、電球だとなかなかそうはならない。誰もが見落としやすいリスクといえるだろう。また、今年の1月に東京都練馬区で住宅7棟を焼いた大きな火事は、調査の結果、部品が劣化した空気清浄機の発火によるものと見られている。

「火の気は無くとも、電気あるところに火の気あり」。ぜひ肝に銘じておこう。

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この記事を書いた人

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賃貸住宅に住む人、賃貸住宅を経営するオーナー、どちらの視点にも立ちながら、それぞれの幸せを考える研究室

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