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片付けから始まった 暮らしをイメージさせる「ホームステージング」#2 〜賃貸物件がホームステージングで生まれ変わる〜(1/2ページ)

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画像/日本ホームステージング協会

一般社団法人日本ホームステージング協会 代表理事の杉之原冨士子さんは、専業主婦から、引っ越しの梱包や開梱、収納、そして内覧のための片付けなど、住まいに関わるさまざまな業務を経験し、日本で唯一ホームステージングを体系的に学べる日本ホームステージング協会を設立した。不動産の売却や賃貸、生活に関わる“ホームステージング”や“片付け”の必要性を、杉之原さんの実体験も交え、さまざまな角度から連載でお届けする。

◆◆◆

オーナーにとって大事なことは “部屋を大事に思う気持ち”

その部屋に住む未来の居住者さんは、そこで新たな人生の物語を始めることになります。そして、その場所を提供するのがオーナーさんなのです。

実は、私も賃貸に住んでいます。もう、今の家に住み始めて20年になります。当時小学校2年生だった息子は、もう立派な大人になりました。その間、家庭や仕事に追われ、気が付くと子どもたちは成人し、家を離れていったり、就職したり、結婚したり……。この部屋で、たくさんの歴史を積み重ねてきました。

持ち家だろうが、賃貸だろうが、日々の暮らしは変わりません。そして、誰しもがその部屋で笑って過ごせる毎日がくることを信じて、新しい家を決めるのではないでしょうか。だからこそ、そんなワクワクする暮らしが待っていることを思い描けるような部屋を、オーナーさんに演出してほしいのです。

ワクワクする部屋を演出するために

そのためにどうしても最初にしてほしいことがあります。それは、「掃除」です。当たり前だと思うかもしれませんが、私の体験で忘れられないことがあるのです。私の友人で、物件を探していたある女性からこんな話を聞きました。

とてもいい物件がみつかり、最終的に決定しようと再度その物件の内見をしたときに、お風呂場の脱衣所に長い女性の髪の毛が1本落ちていたそうです。もちろん、何人か内見したときに落としていった髪の毛かもしれませんし、もしかしたら、以前この部屋に住んでいた人のものかもしれません。いずれにしても、たった1本の髪の毛のために、彼女はこの物件を諦めたそうです。彼女曰く、「なんとなく気持ち悪かったの。そんな気持ちのままで、ずっと暮らすのは嫌だ」そう言っていました。

実は、私が20年も引っ越しせず同じ場所に暮らしている理由の一つは、共有部分の掃除が行き届いていることです。20年も経っていますが、入居時と変わらずエントランスも外周りも毎日掃除しているのでとてもきれいです。

内見の方は部屋の内部だけなく、共有部分や物件に入る外からも見ています。枯れた植木、空き缶やゴミなど落ちていないか是非確認してください。

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この記事を書いた人

一般社団法人日本ホームステージング協会 代表理事

専業主婦を経て運送会社に就職。事務パートから引越営業職と同時にお客様の荷造り荷解きサービスも担当。2011年に独立し、お片づけ・梱包会社株式会社サマンサネットを設立。多くの現場経験からホームステージングの必要性を感じ2013年日本で唯一ホームステージングを体系的に学べる一般社団法人日本ホームステージング協会を設立。 一般社団法人 日本ホームステージング協会 https://www.homestaging.or.jp/

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