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実は奥が深い「壁の塗装」――塗料の種類や道具を選ぶときのポイント(2/3ページ)

内村恵梨内村恵梨

2021/06/04

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結局のところ油性と水性どっちがよいのか?

それでは、結局水性と油性どちらを選べばいいのでしょうか。

まずDIYであれば、水性を選んでおいて間違いはありません。実際にホームセンターなどで塗料を探しても、水性の方が種類も豊富で、色やツヤの種類も多く選びやすくなっています。あとは、塗る対象が鉄など金属なのか、木部なのか、屋外なのか、屋内なのかで塗料を選びましょう。これは塗料缶に塗れる箇所が記載されています。

また、木部を塗る場合は、塗料の種類を選ぶポイントがもう一つあります。
●木の表面に塗膜をつくりたいのか(木目を消す)
●木目を活かしたいのか
ということです。

前者の場合は、木にも塗れる、水性の多用途塗料を選べばOK。後者の場合は、「ステイン」という種類の塗料を選びます。表面に塗膜を作るのではなく、木に浸透し、着色させる塗料です。「木部保護塗料」や、「木目を活かすステイン仕上げ」といった表示がされているものがそれにあたります。

「オイルステイン」というのは、そのステイン系塗料の油性のもので、水性よりもにおいがきついですが、きれいに仕上がるという特徴があります。ちなみに、オイルステインの場合は、先ほど述べた油性塗料のデメリットにある、「開封後すぐに使い切る必要がある」ということはありません。塗料自体が固まってしまうということはないので、作業性は水性ステインとほとんど変わりません。


左/水性ステイン 右/油性オイルステイン 土台/水性ステインで塗装したボード

塗装道具の選び方のポイント

ここまでは塗料についてのお話でしたが、最後に道具の選び方をご紹介します。

<ハケ>
まとめて安く売っている「多用途用」の筋交いバケなどの、幅50㎜のものが一般的によく使われます。より細かい部分を塗るために、30㎜や15㎜のものも用意しておくと安心です。

<ローラー>
広範囲を塗る場合は、隅など細かい部分はハケで塗り、広い平面はローラーで仕上げると効率的です。ローラーは主に「レギュラー」と「スモール」に分かれますが、レギュラーは大きくてハンドルも重くなってしまうため、「スモール」(横幅6インチ)が基本的におすすめです。

鉄柵など細い部分を塗る場合は、さらに小さい4インチのものが使いやすいです。窓枠の木部など、より幅の狭い部分を塗るときは、さらに小さなミニサイズが便利です。

ローラーの種類に合わせて、ハンドル(ローラーの持ち手部分)が変わってくるので、間違えて買わないように気を付けましょう。

また、ローラーには毛の長さの種類もさまざまあります。大きく分けると「長毛」「中毛」「短毛」に分かれ、毛が長いほど、塗料をたっぷりと含み、一度塗料を付ければ広い範囲を塗ることができます。

長毛は外壁塗装に使われることが多く、中毛はスタンダードなのでさまざまな場所を塗るのに使いやすいです。短毛は、凹凸のない平滑な面などをきれいに仕上げるときに使われます。

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この記事を書いた人

匠アカデミージャパン 事務局長 (運営:株式会社イマジンネクスト)

匠アカデミージャパンは2016年に開校した内装リノベーションのスクール。 単にDIYのノウハウを教えるスクールではなく「人生100年時代の大人の学び直し」の場として、副業やセカンドキャリア、定年後の生き生きとしたライフスタイルに生かせる技術を身につけることを提唱している。 講習内容は、クロスや床材の張り替えや、賃貸住宅大家さん向けワンルームの原状回復コースなど、まったくの経験のない方に対してDIYを超えた職人の技を伝授。照明プランニングや内装コーディネートのセミナーなども開催中。 http://www.takumi-ac.jp/

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