実は部屋の印象を決めるふすま――DIYできるふすまの張り替えのポイントと注意点(2/2ページ)
内村恵梨
2021/04/16
本ふすまに貼る際の注意点
築古戸建などでよく見かける本ふすまは、枠が外せるので、できれば外して貼ることをおすすめします。
というのも、本ふすまの場合、袋張りといって、外側だけに糊をつけて真ん中には糊が塗られていません。なので、枠を外さずにふすまを貼りカットをする際、うっかり元の障子紙にカッターが入ってしまうと、下の古いふすま紙ごと全部剥がれてきてしまうことがあります。
なんらかの理由で枠が外せない場合は、枠に地ベラや定規をしっかり当て、枠の方にクロスを多めに残して切ると失敗しにくいです。
また、元のふすま紙が劣化していると、クロスなどを上貼りした際に、乾燥でクロスが縮む力に耐えられず、下の古いふすま紙ごと剥がれてくることもあります。
筆者は本ふすま15面にクロスを貼りましたが、そのうち2面は貼った数日後に、古いふすま紙ごと剥がれてきてしまいました。
剥がれてきてしまったクロス
いかがでしたか?
このように、ふすまは種類と貼る方法の組み合わせによって、ふすま全体が反ってしまったり剥がれてきたり、といったリスクもあります。
こうした理由から、業者さんにお願いすると、「クロスは貼れない」と言われてしまうことが多いです。やはり、元々の伝統的なふすま紙の張り換え方法が、一番きれいで確実なので、プロとしては推奨したいということなのでしょう。
それでも自分で好きなふすま紙やクロスを貼ってみたい!という方は、ぜひチャレンジしてみてください。普段開け閉めするふすまを見るたびに、愛おしい気持ちになりますよ。
この記事を書いた人
匠アカデミージャパン 事務局長 (運営:株式会社イマジンネクスト)
匠アカデミージャパンは2016年に開校した内装リノベーションのスクール。 単にDIYのノウハウを教えるスクールではなく「人生100年時代の大人の学び直し」の場として、副業やセカンドキャリア、定年後の生き生きとしたライフスタイルに生かせる技術を身につけることを提唱している。 講習内容は、クロスや床材の張り替えや、賃貸住宅大家さん向けワンルームの原状回復コースなど、まったくの経験のない方に対してDIYを超えた職人の技を伝授。照明プランニングや内装コーディネートのセミナーなども開催中。 http://www.takumi-ac.jp/