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環境アレルギー対策で、さらに健康増進!  第9回「喫煙したい人のお部屋づくり」(2/2ページ)

加藤 美奈子加藤 美奈子

2020/10/21

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「室内の色」
室内の壁、家具、調度品の色は赤やオレンジの暖色系の派手な色にします。例えば、ファーストフード店にはよく採用される色ですが、理由は「暖色系はエネルギーを消耗させる色で時間を長く感じさせる効果があり、短時間でもこんなに時間がたったのかと思う効果がある」といわれているからです。つまり、回転率を上げ、室内にいる人の数を減らします。


イメージ/©︎maglara・123RF

「空気清浄する機械および壁」
換気の悪い淀んだ室内では気持ちの低下と健康被害が増すので、HEPAフィルター付きの高機能の空気清浄機設置や、第一種機械換気の設置、壁は光触媒効果のあるものや木炭塗料など揮発性有機化合物の分解や吸着できるものを設置し、室内をよりクリーンに保てられるようにします。第一種機械換気システムが取りつけられない場合は、室内の面積に合う効果のあるサーキュレーターを設置し、滞留しないように煙を回し、排気の方向に移動させます。サーキュレーターの最新のものは、首が左右、上下に動かすことができ、デザインがお洒落でとてもよいものもあります。

「測定で数値化」
タバコ煙には2000~4000の化学物質が含まれているといわれます。そこで、喫煙者に数値で室内環境の汚染レベルを見えるようにします。

入口に多機能空気品質検知器(以下、GiA(ジア))を設置しIAQ(室内空気指数)が、250以上になったら、人数制限し、一人退室したら新しい人が入るようにします。

先日個室でたばこ煙をGiAで測定しました。その結果、2回の吐く息でIAQ(室内空気指数)が500を超え(100が普通)、PM2.5+PM10(粉じん)の値が444㎍/㎥(110が基準値)となり、汚染度が高いのがわかりました。数値を喫煙者に見せることで、滞在時間を減らし、入場制限を行い室内環境がある程度衛生面で保てるようにします。

 
タバコ煙をGiAで測定した写真/筆者提供

「灰皿の位置」
マイ灰皿、または一人1つの灰皿になるように設置します。室内で喫煙者同士、離れて吸うように促します。

「植物」
設置しません。葉、土に粉じんなどが付着し、カビやダニの原因にもなり不衛生です。

「椅子と机」
室内の回転率を上げるために、椅子は置きません。机は小さく灰皿だけがのるようにし、その部屋で仕事などできない環境にします。

「床」
床は、汚れが落ちやすいので、床も光触媒効果のあるものなどを使用します。スリッパに履き替えず靴で入ります。共同で使うスリッパは汚れやすく、使いまわしは、感染症にも繋がりますので、置かない方がよいでしょう。

「手洗い場」
喫煙後、手を洗って職場に戻れるように水回りの設置をします。手を洗う行為は、気持ちがリフレッシュできる効果があります。また、汚染物の付着が取れるので、衛生面でもよいでしょう。

これらのご提案は他の部屋よりもお金をかけなければいけないかもしれませんが、愛煙家の健康被害を減らし、生産性を上げるためにも、最適な空間を提供するのはいかがでしょうか?

これからの時代は多様な人が増えます。新しい視点を取り入れ、ニーズに応えていくのはいかがでしょうか?

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この記事を書いた人

春日井環境アレルギー対策センター 代表

子どもがアレルギー起因の喘息で入退院を繰り返した経験から、2011年にアレルギーをもつ子どもの育児をサポートする任意団体を設立。2018年、春日井環境アレルギー対策センターを設立し、健康住宅建築や既存建築物の空気質測定、室内空気環境品質検査認証などを中心に事業展開。アレルギー患者を一人でも減らすべく日々活動している。資格:看護師、環境アレルギーアドバイザー、シックハウス診断士

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