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BOOK Review――この1冊 『月曜断食』 関口賢著(1/2ページ)

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『月曜断食』 関口賢著 文藝春秋刊 1350円(本体価格)+税

断食には、密やかな魅力がある。食欲という人間の本能に抗う精神的な闘い、そして空腹や倦怠や動けなくなるという肉体的な闘い。世の中には断食道場なるものもあり、一度は挑戦したい気もするが、そもそも何日間も道場に缶詰になることは難しいし、費用もかかる。時間と経済に余裕がない限りは、おりゃ~と飛び込めないのが断食の世界である。

そこに現れたのが本書『月曜断食』、いわゆるダイエット本。ダイエット本の流行り廃りがある中で、ここ10年ほど、酵素ドリンクやコールドプレスジュースを飲みながら行う「ファスティング」や、1食または2食を抜く「プチ断食」が流行してきたという。本書は昨年2月に刊行されて、1年半ですでに19刷。書籍は売れて在庫がなくなれば重版をかけるのだが、それが18回、1カ月に1回以上、版を重ねている計算になる。これは隠れたベストセラー、いやすでに話題の書である。様々なダイエットに挑戦しては失敗してきた漫画家・伊藤理佐さんが63キロから57キロに痩せたことでも話題になっている。

ところで、本書の著者はどんな人物なのか。のべ7万人を治療し、断食指導をしてきた鍼灸界のカリスマ・関口賢先生だという。つまり、鍼灸師なのだ。そう言えば、やせるツボが流行った時代もあった。関口先生も本書の中で、食べ過ぎチェックのツボ、食欲を抑えるツボ、安眠のツボなどを図入りで教えてくれている。
本書が魅力的なのは、冒頭で断食はなぜ体によいのかをじっくり説明しているところだ。断食の最大の目的は、日頃酷使している胃腸を休め、本来の働きを取り戻すこと。「胃は第1倉庫、腸は第2倉庫、脂肪は第3倉庫」であり、日常的に食べすぎていると、栄養が吸収されないまま、食べ物のカスが容量オーバーのまま各倉庫に堆積するのだという。だが、断食によって、体本来の消化・修復機能が高まるので、脂肪を燃焼しやすい体になり、体質改善していくことができる。しかも睡眠の質が高まる、美肌効果が高い、リバウンドしにくい、婦人科系の病気も改善できる、おまけに食べないだけのシンプル法なので、かかるお金は0円、過食も間食も自然に減って財布にやさしいと良いことずくめ。

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この記事を書いた人

ウチコミ!タイムズ「BOOK Review――この1冊」担当編集

ウチコミ!タイムズ 編集部員が「これは!」という本をピックアップ。住まいや不動産に関する本はもちろんのこと、話題の書籍やマニアックなものまで、あらゆるジャンルの本を紹介していきます。今日も、そして明日も、きっといい本に出合えますように。

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