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『七つの会議』

半沢直樹チームで映画化――テレビドラマ同様の反響を得られるか(1/3ページ)

兵頭頼明兵頭頼明

2019/01/30

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(C)2019映画「七つの会議」製作委員会

2013年、あるテレビドラマが一大ブームを巻き起こした。直木賞作家・池井戸潤の小説『オレたちバブル入行組』と『オレたち花のバブル組』を原作としたTBSのドラマ『半沢直樹』(13)である。バブル期に大手都市銀行に入行した銀行マン・半沢直樹が銀行内外の敵と銀行組織そのものに立ち向かってゆく姿を描いている。プロデューサーの伊與田英徳と演出の福澤克雄を中心としたチーム伊與田は、どんな理不尽な状況下でも負けないスーパー・サラリーマン半沢直樹のキャラクターを実体化させ、毎回胸のすくクライマックスシーンを用意して視聴者にカタルシスを味わわせた。現代版『水戸黄門』とも言うべき爽快なドラマは視聴者の心を捉え、最終回では42.1%という驚異的な視聴率を獲得し、半沢の決め台詞「倍返しだ!」は流行語大賞を受賞している。

チーム伊與田は『半沢直樹』の方法論をそのまま生かし、『ルーズベルト・ゲーム』(14)『下町ロケット』(15)『陸王』(17)『下町ロケット〈続編〉』(18)と、池井戸潤作品を次々にテレビドラマ化してきた。本作『七つの会議』はチーム伊與田が満を持して放つ劇場用映画。原作はもちろん、池井戸潤である。

舞台は東京都内にある中堅メーカーの東京建電。営業一課の八角(野村萬斎)はすでに管理職になっているはずの年齢だが、いまだ係長止まりという、ぐうたら社員である。社を代表するトップセールスマンで課長の坂戸(片岡愛之助)からはいつも叱責されているが、八角はどこ吹く風。営業部長の北川(香川照之)の進める結果至上主義の方針も無視し、飄々と毎日を過ごしていた。

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この記事を書いた人

映画評論家

1961年、宮崎県出身。早稲田大学政経学部卒業後、ニッポン放送に入社。日本映画ペンクラブ会員。2006年から映画専門誌『日本映画navi』(産経新聞出版)にコラム「兵頭頼明のこだわり指定席」を連載中。

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