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実は法的根拠がある 賃貸住宅オーナーが入居者からのクレームに対応しないといけない理由(2/2ページ)

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使用収益できる状態への回復は「修繕」と同等

さらに、民法第606条を見てみよう。そこには「賃貸人は、賃貸物の使用収益に必要な修繕の義務を負う」旨、明記されている。

(民法第606条1項)
「賃貸人は、賃貸物の使用及び収益に必要な修繕をする義務を負う。ただし、賃借人の責めに帰すべき事由によってその修繕が必要となったときは、この限りでない。」

入居者が使用収益できる状態を物件に維持させるために、オーナーには、それが失われた場合の修繕義務が課されていることがここに記されている。これは、要は、物件に雨漏りが起きたり、給湯器が壊れたりして入居者が困っているならば、「オーナーはすぐに直してあげないとダメですよ」ということだ。

隣人に迷惑をかけている入居者にその行為をやめさせることも、この意味において同等の話となるわけだ。

以上、賃貸経営を行うオーナーが押さえておくべき隠れた基本となる。

いわゆる問題入居者の迷惑行為に苦しむ一般の入居者を救うことは、賃貸住宅を経営するうえでの大事な顧客サービス、事業戦略、あるいは道義的責任に基づく行為であることに間違いないが、実は、それ以前にオーナーに課された法的な義務なのだということだ。

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賃貸住宅に住む人、賃貸住宅を経営するオーナー、どちらの視点にも立ちながら、それぞれの幸せを考える研究室

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