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賃貸住宅でペット可にするなら「飼育細則」を決めること そのとき重要な2つのポイント(2/3ページ)

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さらに、非常に大事なのがペットのサイズと数の限定となる。

例えば、

・犬の場合、成犬時で10kg以下とする
・その他の生物のサイズについては、犬の場合を原則上限とし、なおかつ要相談とする
・犬、猫の数は、合わせて2頭(匹)以下とする。その他の生物については要相談

などと規定する。ちなみに、成犬時で10kg以下といえば、柴犬がおおむねこれにあてはまる。そのうえで、こうした飼える動物の種類、サイズ、数の限定によって、どんな効果が生まれるかを具体的に示すと(いずれも実例)、

「ペットといえばもちろん犬か猫と、オーナーも管理会社も思い込んでいたが、その入居者が連れてきたのはなんとヒツジだった」

「小型の犬を2匹飼っていますと申告していた入居者だが、実はその2匹というのはゴールデンレトリーバーの子犬だった。あっという間に成長し、体重30kgの大型犬2頭が狭い部屋に暮らすことになった」

こうしたビックリ事例を避けることができるようになるはずだ。なお、以上に併せて、より正確な確認のため、入居審査時にはペットの写真を提出してもらうのがよいだろう。もちろん、そのことも細則に規定する。

2.狂犬病予防接種、その他ワクチン、去勢、避妊

こちらは、ペット可賃貸物件の運営において、今後重視されていく可能性が高いと思われるテーマだ。すでに運用している管理会社ももちろんある。まずは犬だ。犬については、狂犬病の予防接種、および、その他感染症のワクチン接種を飼育の条件にし、それを細則に規定するのが望ましい。

なぜなら、散歩への行き帰りなど、他のペットやその飼い主との接触機会が犬にあっては自然に発生しがちとなるからだ。物件内での感染症の発生を抑えるためのルールづくりは、ペット可物件を運営するオーナーとして、当然担うべき責務といえるだろう。

また、猫については、去勢・避妊手術の実施を入居の条件とするのが望ましい。

猫の飼育においては、現在は室内飼いが特に都市部では基本となっており、賃貸集合住宅の環境下では、それはますます当然のこととなる。発情にともなう、いわゆる「問題行動」によるトラブルや、物件へのダメージを避けるため、生き物としての猫に対してはかわいそうなことだが、これらは、ペット可物件においてはぜひとも導入すべき入居条件とせざるをえないだろう。

なお、犬の狂犬病予防接種は、そもそもペット可物件云々以前に、法令上の義務となっている(年1回)。従って、入居契約時、入居者に対し、証明書(狂犬病予防注射済証)の提出を求めるのは、管理上のいわば最低ラインだ。なおかつ、年1度の接種報告義務についても、細則にはしっかりと明記しておくべきだろう。

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賃貸住宅に住む人、賃貸住宅を経営するオーナー、どちらの視点にも立ちながら、それぞれの幸せを考える研究室

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