サブスク、リースは得か、損か?――賃貸住宅業界で広がる活用法(2/4ページ)
小川 純
2021/10/09
サブスクとリースの違い
とどまるところを知らないサブスクだが、サブスクは本当にお得になるのだろうか。
「ずっと使うことを考えたらサブスクは絶対に得ではない。クルマに関しても、365日24時間使うことが分かっていれば、絶対買ったほうが安くなります」と、ある税理士は話す。もちろん、どんなサブスクかにもよる。
「クルマで考えると月極駐車場なら駐車場代、保険などがあります。こういったものの負担も大きくなるので、1kmあたりで換算すると、購入、あるいはサブスはすごく高いクルマになるので、むしろレンタカーやカーシェアのほうが安あがりです」(前出・税理士)
サブスクと同じようなものに「リース」がある。法人(会社)ではオフィスのコピー機やプリンターなど、工場などで使用される機械もリースということも多い。また、最近では個人を対象にしたマイカーリースのテレビCMをしばしば目にするようになったり、個人であってもリースが身近なものになっている。
サブスクとリース、どちらがお得になるのか、それぞれのメリットデメリットを比較してみる。
サブスクの大きなメリットは、①契約、解約が簡単にきること。②そのため新しいものへの交換が容易、の2点だろう。大きなデメリットとしては、①リースに比べ月額料金が高いこと、②「使用する権利」に対する使用料なので、どんなに長く使用していても所有物(資産)にならない。
一方、リースの大きなメリットとしては、①サブスクに比べ月額料金が安いこと、②契約内容によってはリース期間が終了すれば自分のもの(法人では資産計上)にできること。大きなデメリットとしては、途中解約できない。解約できても残りのリース期間のリース料の一括支払いが求められるなど解約に制約があることだ。
サブスクといっても、なかにはリースに近いものもある。
例えば、トヨタがサービスを行っているクルマサブスクの「KINTO」は、サブスク期間が3年、5年、7年と複数のプランがある。そして、それぞれのプランの期間中に免許返納や海外転勤などの理由以外で途中解約するには解約金が発生する。また、契約期間が終了すると、延長、買い取りはできない。加えて各プランで走行距離が決められていて超過したり、終了時の車両の状態によって追加料金が発生する。
このようにサブスクといっても、対象によっては違いがあり、それぞれ一長一短があるわけだ。
この記事を書いた人
編集者・ライター
週刊、月刊誌の編集記者、出版社勤務を経てフリーランスに。経済・事件・ビジネス、またファイナンシャルプランナーの知識を生かし、年金や保険など幅広いジャンルで編集ライターとして雑誌などでの執筆活動、出版プロデュースなどを行っている。