賃貸経営における永遠のテーマ「空室対策」——賃貸経営とDIY(3/3ページ)
廣田 裕司
2021/09/16
DIY型賃貸借のメリットとデメリット
DIY型賃貸借を採用することにより、大家さんは、退去時の原状回復工事の内容を最低限に抑えることで工事費用の削減になります。半面、工事費を入居者さんに負担してもらうと、家賃が安くなる傾向にあります。
入居者さんからみると、自分好みの部屋を実現でき、持ち家のような感覚で住めます。半面、工事費用を負担する可能性もあります。
DIY型賃貸借を採用するときの注意点
DIY型賃貸借を進める場合には、契約時の取り決めが重要になります。取り決めをするうえでのポイントは次の通りです。
・工事費用に負担区分
・改造できる範囲・工事内容
・工事内容に申請・承認
・原状回復責任の範囲・改造部分の所有権など
契約事例や注意点などは、国土交通省よりガイドブック・契約事例集などが出されているのでこちらを参考にしてください。
また、HEAD研究会から「賃貸DIYガイドライン」が出ています。こちらも参考になると思います。
まとめ
DIYでリフォーム工事費用のコストダウンをすることは、大家さんにとって魅力的に感じると思います。しかし、DIYでのリフォーム工事は、自身の労働力(時間)の投入という見えないコストや道具の購入費用を発生していることも意識して、やるかやらないかを判断するようにしましょう。また、工事を進めるうえでもさまざまな注意点にも配慮しましょう。
また、不動産投資以外に本業を持っている人は、本業に影響のない範囲で考えるべきだと思います。
賃貸住宅であっても、自分好みにリフォームして住みたいと考えている入居者さんは、一定数いらっしゃると思います。入居者さん自身で、自分好みに改造した部屋は、愛着が強く長期間の入居が期待できます。DIY型賃貸借を採用することも、空室対策の一つになると思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。
この記事を書いた人
「合同会社アップ」代表 「行動する大家さんの会」代表
妻の実家の賃貸事業を引き継ぎ、賃貸経営に関わるようになる。サラリーマン時代の経験を活かし、原状回復費の低減、稼働率アップに成功。賃貸経営での経験をベースにセミナー講師としても活動。2014年大家仲間と一緒に、管理会社「みまもルーム」設立に参加。大家さんとしての経験、不動産業者としての経験を活かし、大家さんの賃貸経営をサポートする会社「合同会社アップ」を設立。大家さんのサポート活動を展開中。