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「昭和の大家」から学ぶ——いまどきオーナーが見逃しやすい入居者募集のキホン(3/4ページ)

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「そもそも、こちらで空室が出た際は、最初に美容室さんに声をかけてみては? 入居者候補の単身者の皆さんが、たくさん働いているじゃないですか」

さらには、人が住むのみならず、従業員の休憩場所兼商品保管用スペースなどとして、そばに部屋を欲しがっている店もよくあるものだ。

故郷の母を同じ屋根の下に呼びたい

入居者募集を管理会社や仲介会社に任せるだけでなく、自ら動くオーナーも増えてきた。

例えば、自身の物件が駅に向かう通勤者がたくさん通る路地にあるのを幸いとして、エントランスに花で飾った洒落た募集告知を掲げるオーナーがいる。ねらいは近所の他の物件からの住み替えニーズだ。このオーナーは次のように話す。

「私の物件は庭が自慢で、夜のライトアップもきれいなんです。毎日通勤の行き帰りに眺めていて、『ここってイイな』と思ってくれている方がきっと何人もいるはずです」

一方、空室が出ると、まず初めにいま住んでいる入居者全員に声をかけるオーナーもいる。その結果、「一室空くのなら、田舎で一人暮らしをしている親を呼びたい」と、新たなニーズを掘り起こした。本来、単身での入居であれば健康状態がやや心配な高齢のお母さんを子どもがそばで見守ってくれるかたちとなり、入居者・親御さん・オーナー、3者にとってベストな結果となっている。


親とはできるだけ近くに住みたい イメージ/©︎acheev・123RF

こんな剛腕オーナーもいた。

さきほどの「庭が自慢」のオーナー同様、近隣からの住み替えニーズを狙おうと、自身の物件の募集チラシをこしらえ、なんと、それを近所の競合物件の郵便受けに何十枚と配り歩いたのだ。

ちなみに、これは別に悪いことではなく、なんの違反にもならない。だが、発覚するとかなりの確率でトラブルにはなるだろう。方法としてあり得ても、業界目線的にはどの地域でもビックリの、いわば “免疫のない” 行為となるはずだ。実際、このオーナーも、「よく考えたらマズかったです」ということで、間もなくこれを自粛した。

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この記事を書いた人

編集者・ライター

賃貸住宅に住む人、賃貸住宅を経営するオーナー、どちらの視点にも立ちながら、それぞれの幸せを考える研究室

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