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数値が示す若年層賃貸住まいの高い自殺率 賃貸住宅オーナーとしてできることは何か(2/3ページ)

朝倉 継道朝倉 継道

2021/09/04

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日本の若者は自殺しやすい

一方、こちらはよく挙げられる数字となる。日本は残念なことにそもそも若者が自殺しやすい国として知られている。厚労省の「令和2年版自殺対策白書」ら数字を抜粋する。

年齢階級別死因1位「自殺」の構成割合

出典/厚労省「令和2年版自殺対策白書」
平成30年における死因順位別にみた年齢階級・性別死亡数・死亡率・構成割合を基に作成

このとおり、20~24歳の死亡においては、自殺が死因全体の実に5割を超えている。なお、実数は1045件で、2位の「不慮の事故」314件の3倍を大きく上回る規模となっている。さらに、25~29歳でも割合は5割に迫り、なおかつ実数は1059件。こちらは2位の不慮の事故257件の4倍超となっている。同白書はこれらについて、「我が国における若い世代の自殺は深刻な状況にある」との言及を添えているが、おそらくそのとおりで間違いない。

なお、15~34歳における死因の1位が自殺となっているのは、先進国(G7)中、日本のみとなっている。ほかは、フランス・ドイツ・カナダ・アメリカ・イギリスで2位、イタリアで3位となっている。日本における自殺の1位は、アメリカのデータにおいて、「殺人」が3位に飛び込んできているのに次ぐ、特異な数字といっていい。

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この記事を書いた人

コミュニティみらい研究所 代表

小樽商業高校卒。国土交通省(旧運輸省)を経て、株式会社リクルート住宅情報事業部(現SUUMO)へ。在社中より執筆活動を開始。独立後、リクルート住宅総合研究所客員研究員など。2017年まで自ら宅建業も経営。戦前築のアパートの住み込み管理人の息子として育った。「賃貸住宅に暮らす人の幸せを増やすことは、国全体の幸福につながる」と信じている。令和改元を期に、憧れの街だった埼玉県川越市に転居。

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