片付けから始まった 暮らしをイメージさせる「ホームステージング」#2 〜賃貸物件がホームステージングで生まれ変わる〜(2/2ページ)
杉之原 冨士子(すぎのはら ふじこ)
2021/07/20
ホームステージングの実例をご紹介
いよいよ皆さんのお待ちかね、賃貸のホームステージングの話です。
最初にターゲットを決めてください。その物件は、都心ですか? 郊外ですか? どんな人に入居してほしいですか? 単身、家族? 家族ならどんな家族? 年齢は? 新婚? 子ども連れの若いファミリー? 子どもは何人? 子どもの年は?
などなど想像して、そのターゲットが大好きだと思うものを部屋に設えるのです。
先日、山梨学院生で1年間ホームステージングを勉強した学生が、地元の不動産会社のインターン生として、長期空室物件にホームステージングを行いました。結果、「1年2カ月空き室だったワンルームの物件がたった2週間で成約した」という素晴らしい成果を出しました。インターン生1人、10日間で3部屋のホームステージングを
なかでも難関だったのは、築20年の2LDKでリビングダイニングの隣に和室があるという、よくあるタイプの間取りの部屋でした。和室の畳が古臭く見えてしまい、8カ月間も空き室になっている物件……。
築20年の2LDK。8カ月間も空き室になっている部屋 画像/日本ホームステージング協会
インターン生は、ターゲットを“
落ち着きのあるグリーンを基調に、二人掛けのソファーとローテーブル。このソファーで、仲良くコーヒーを飲みながら語り合う二人をイメージしています。生活感のあるテレビ台もあえて置くことをやめました。難関の和室のホームステージングが見事でした!
ソファーに座って見える和室には、琉球畳を敷き詰め、光の加減で市松模様が現れるように配置することで、新婚カップルが大好きなおしゃれな和室に変わっています。和室に置かれたテーブルライトからのあたたかな明かりは、リビングにいる二人の横顔をほんのり照らしながら、時が流れていく。微笑ましい空間に変わりました。
新婚カップルにぴったりな部屋へ生まれ変わった 画像/日本ホームステージング協会
この物件は、ホームステージング後、最初に内見に来たカップルが即決したということでした。あれだけ苦戦していた物件が、たった1日で成約になるとは、不動産会社の皆さん全員がびっくりするくらい、ホームステージングの効果が発揮されたのです。
ホームステージングは、この大事なこの部屋に、どんな人に入居してもらいたいのかターゲットを決め、コンセプトを決めることと、オーナー自身が「ここに住んでみたい!」、そう思える部屋にすることで選ばれる物件になるのです。
次回(8月下旬公開予定)へ続く――
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〜ホームステージングが当たり前の時代がやってくる〜
この記事を書いた人
一般社団法人日本ホームステージング協会 代表理事
専業主婦を経て運送会社に就職。事務パートから引越営業職と同時にお客様の荷造り荷解きサービスも担当。2011年に独立し、お片づけ・梱包会社株式会社サマンサネットを設立。多くの現場経験からホームステージングの必要性を感じ2013年日本で唯一ホームステージングを体系的に学べる一般社団法人日本ホームステージング協会を設立。 一般社団法人 日本ホームステージング協会 https://www.homestaging.or.jp/