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ファミリー向け分譲マンションに特化した不動産投資法――ファミリー向け分譲マンションで不動産投資をする理由②(3/4ページ)

横山 顕吾横山 顕吾

2021/07/17

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管理方法の大きな違い

四つ目の理由は、分譲マンションは、分譲マンション管理会社に管理組合が管理委託している場合が多く、建物管理がしっかりしているからです。

賃貸アパート・マンションを所有されている人は、物件管理をどうされていますでしょうか? 自主管理でしょうか? 委託管理でしょうか? サブリースでしょうか?

私が賃貸経営に関わりたいと思った一番大きな理由が、この「物件管理」にあります。私が不動産投資の勉強を始めたのは約10年前です。勉強を始めたときは、分譲マンション管理会社に勤務していました。不動産投資を学び始めて一番の驚きが、賃貸管理会社と分譲マンション管理会社の業務内容が全く異なるということでした。

分譲マンションは、永住することができるよう使用材料を質の高いものを使う傾向があります。建築基準法ギリギリではなく、構造体もしっかりした設計で行われることが多いです。そして、建物の維持管理のために、管理者がほぼ毎日勤務し、日常清掃を行い、加えて特別清掃という機械洗浄を2~3カ月に1回行います。また、各設備を定期的にメンテナンスします。

さらに、大規模修繕のための修繕積立金を毎月積み立て、長期修繕計画に基づき計画的に修繕を行います。そして、積み立てた修繕積立金で大規模修繕や小規模修繕を定期的に行い、マンションの価値を維持しようとします。これがごく普通の分譲マンションの管理です。

賃貸アパート・マンションは、資産運用が主目的のため質の高い材料を使う量は限られます。構造体も建築基準法ギリギリが多いです(建築基準法の基準を満たしていれば耐震性に問題はありません)。建物の維持管理は、別途料金となるため委託した管理会社が直接関わっていません。清掃も多くて週1回くらいです。修繕積立金を積み立てていることも少なく、仮に修繕積立金を積み立てていても、そのアパート・マンションを購入するときに、積み立てられた修繕積立金を引き継ぐことはありません。

長期修繕計画を立てているオーナーさんもほとんどいないです。そもそも賃貸アパート・マンションの管理会社が、長期修繕計画を作成することが管理委託契約の内容には入っていないからです。

つまり、分譲マンション管理会社の主業務は「建物」を管理することなのですが、賃貸アパート・マンション管理会社の主業務は「入居者」を管理することということなのです。賃借人の入退去の対応や家賃の入金確認という、賃借人という「人」に対する業務が管理業務の主業務なのです。

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この記事を書いた人

マンション管理士、管理業務主任者、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士、賃貸経営アドバイザー、防火管理者、損害保険募集人

1970年岡山市生まれ。筑波大学体育専門学群卒業後、転職を繰り返し、6つ目の勤務先として分譲マンション管理会社に就職。2008年から一般財団法人日本不動産コニュニティー(J-REC)広島支部長を務め、12年に投資用分譲マンション2戸を取得。17年に区分マンション所有に特化した専業家主へ転身。趣味はリフォーム、ラグビー観戦。

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