賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン

ウチコミ!タイムズ

賃貸経営の新しい選択肢 第1回/「サービス付き高齢者向け住宅」とは?

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

取材・文/財部 寛子

【PR】
「サービス付き高齢者向け住宅」(以下、サ高住)という言葉をよく耳にするようになってきた。しかし、どのような住宅なのかきちんと把握できてない人も多いのではないだろうか。実は、賃貸経営のオーナーも、このサ高住の運営に乗り出すことはできる。そこで、千葉県松戸市を中心に不動産の建築や賃貸物件の管理など幅広い不動産事業を行い、さらに20棟のサ高住も手掛けている太陽ハウスに、「サービス付き高齢者向け住宅」の基本を分かりやすく教えてもらった。

高齢化と空室対策をセットで考える

日本の少子高齢化問題が深刻であることは周知の事実だ。総務省統計局のデータを見ると、2018年10月1日時点で、総人口における65歳以上の人口の割合が28.1%、75歳以上でも14.2%を占めている。その一方で、0~14歳の割合は、75歳以上が占める割合よりも低い12.2%だ。


出典/総務省統計局「国勢調査 人口推計」(注:各年10月1日現在)

この少子高齢化問題に伴って、賃貸経営オーナーの多くが懸念していることが空室問題と高齢者の受け入れだろう。東京都内の賃貸物件の空室率は30%を超えているともいわれ、高齢者の入居を敬遠し続けるわけにもいかない。築年数が古い物件であればなおさらだろう。

サ高住は“賃貸借契約”、老人ホームは“利用権契約”

そんななか、チェックしておきたいのが、「サービス付き高齢者向け住宅」だ。「サービス」「高齢者」というワードが入っているために、有料老人ホームや特別養護老人ホームなどの施設の類と勘違いしている人も多いだろう。

実際、太陽ハウス 住宅開発部課長の福永俊介さんは、サ高住を建築する前の周辺住宅への挨拶の際にその認知度の低さを実感するという。

「介護度が高い高齢の方が入る施設というようなイメージを持つ方が多くいらっしゃいます。ご高齢の方が夜遅くに徘徊してしまうのではないか、救急車がひっきりなしにくるのではないか、といった心配の声が聞かれます。介護支援専門職員のケアマネジャーさんでさえ、サ高住をよく認識されていないケースもあるんです」(福永さん)


太陽ハウス 住宅開発部課長の福永俊介さん

では、老人ホームとの違いはどこにあるのだろうか。太陽ハウス 取締役の岩橋保宗さんに聞くと、最も大きな違いが利用者とオーナーとの“契約方式”だという。

「老人ホームなどは“利用権契約”といわれる方式で、利用者はその施設の一部として居住部分やサービスを利用する権利を得ることになります。一方、サ高住は“賃貸借契約”です。つまり、通常の賃貸物件を借りるときの契約と同じ仕組みで、居住部分に入居者が居住する権利が保証されます」(岩橋さん)

そして一般の賃貸住宅との違いが、サ高住には介護サービスが付属する点だ。

「サ高住は、同じ建物内に介護事業所が併設されており、緊急時に24時間対応可能な体制が整えられているんです。そして、入居者は必要に応じて介護サービスを受けることができます。入居者が介護保険を使って介護サービスを受けることで、併設される介護事業所の運営も成り立っていきます」(岩橋さん)


太陽ハウス 取締役の岩橋保宗さん

太陽ハウスの順調なサ高住事業

太陽ハウスでは、千葉県松戸市や流山市などで20棟のサ高住を手掛けている。サ高住事業をスタートするきっかけのひとつとなったのが、2011年の「高齢者住まい法」の改正だ。

「弊社でも賃貸物件の空室が目立ち始めたときがありました。その一方で、入居したいけれど契約が困難で入居できない高齢者の方もいらっしゃるという問題もありました。また、管理物件のなかで年間に数件ですが、いわゆる『孤独死』が発生する状況があり、なにか弊社が貢献できることはないか?といろいろと検討していたところ、高齢者向け住宅の整備に対する国の補助金制度が始まることを知り、サ高住の事業を新規にスタートしました」(岩橋さん)

1棟目は、千葉県流山市の駅から徒歩7分程度の土地を自社で購入し、2012年にオープン。延べ床面積1000㎡弱の土地に2階建てを建築。1部屋25㎡以上のワンルームが22部屋、各部屋にトイレやお風呂、ミニキッチンもついている。


太陽ハウスで建築したサ高住の外観(左)と間取り図(右)

「賃料は5万8000円です。食事代は1日3食提供で、1カ月5万円前後。ちなみに、食事に関しては安否確認の意味合いも含まれていますので、基本的に共用スペースで食べていただくことになっています」(岩橋さん)

同社が運営するサ高住は、基本的に1棟目と同じような広さや部屋数、設備を整えているという。もちろん、この1棟目をベースに少しずつ改善も加えながら展開している。

「入居もオープンから半年程度で決まりました。サ高住は、終の棲家として選んだいくただくケースが多いため、1度満室になると空室になりにくいことが特徴です。2棟目以降も1棟目と同じように、比較的順調に入居いただいています」(福永さん)

以上のように、サ高住は基本的には一般の賃貸住宅の契約と同じではあるが、そこに介護サービスが付くことが特徴だ。入居を希望する高齢者は多く、新しく物件の建築を考えているオーナーなら検討の余地もあるといえる。

しかし、さまざまな調査、介護に関する知識を得ることなくサ高住を始めるとリスクも伴う。

そこで次回、まずは把握しておきたい現在の日本のサ高住の実態や最新事情をお伝えする。

賃貸経営の新しい選択肢 第2回/管理方法は? 補助金制度は? 課題も多いサ高住の最新事情
賃貸経営の新しい選択肢 第3回/空室や事故物件のリスクも低い ! ? サ高住経営のメリット
賃貸経営の新しい選択肢 第4回/一般賃貸との比較 サ高住のメリット
賃貸経営の新しい選択肢 第5回/安定を見込めるサ高住の経営シミュレーション

会社プロフィール
太陽ハウス株式会社 代表取締役 岩橋淑行
1980年2月に設立。建築不動産業を通じて、地域社会の発展に貢献し、より良い住環境を創造し、お客様の満足・幸福と、社員の幸福、会社の発展を等しく実現します。地域経済に浸透し、地域の人々に信頼され、地域社会に必要とされる会社の実現に向って、誰からでも愛される太陽ハウスをみんなで目指します。
住所:千葉県松戸市新松戸1丁目204番地
Tel:047-343-1111(代表)
https://www.taiyo-house.co.jp/

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

この記事を書いた人

賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン『ウチコミ!タイムズ』では住まいに関する素朴な疑問点や問題点、賃貸経営お役立ち情報や不動産市況、業界情報などを情報発信。さらには土地や空間にまつわるアカデミックなコンテンツも。また、エンタメ、カルチャー、グルメ、ライフスタイル情報も紹介していきます。

ページのトップへ

ウチコミ!