賃貸住宅オーナーさんに必須な「街の比べ方」とは?(3/3ページ)
ウチコミ!タイムズ編集部
2020/01/27
ご存知のとおり、われわれオーナー側がいうのもなんですが、賃貸住宅の礼金は、いまひとつ根拠のわからない、説明しがたい慣習であり、コストです。入居者さん側からの評判は、当然ながら非常によくありません。
ですので、物件がダブつくなど、マーケットが借り手有利の状況になってくると、真っ先にこれが削られていきます。いわゆる「礼ナシ物件」の出現です。逆にいえば、礼金をもらえる物件の割合が高い街・駅は、これを払ってでも住みたい人が多い人気の街・駅ということになります。すなわち、投資先としては有望な市場です。
そしてもうひとつ、おさえておきたいもの。それは「フリーレント」です。礼金がもらえるのとは逆で、フリーレントを設定している物件の割合が高いエリアは、そうでもしないとなかなか競争を勝ち抜けないことを示すエリアです。
住む人はいても新築に集中しがち。築年数が増していくごとに需要が駆け足で退いていく…。そんな街で、フリーレント設定率は高まる傾向が見られます。当然ですが、投資の対象として有利な場所ではありません。
では、この礼金設定率とフリーレント設定率、どうしたら把握することが出来るのでしょうか? 方法はとても簡単です。ポータルサイトを利用するのです。さきほども触れた、SUUMOやLIFULL HOME’Sといったポータルサイトで、まずは条件を定めずに、当該駅の全物件を検索してみます。すると、物件情報とともに、その総数が表示されるはずです。
次いで、検索条件に「礼金なし」あるいは「フリーレント」を設定し、再度検索をかけてみてください。さきほどと同様、物件情報とともに検索後の総数が出てきます。
以上、それぞれの総数から、礼金なしやフリーレントを設定している物件の、その駅での割合がつかめます。借りて住みたいと思っている人が本当に多い街(駅)、少ない街(駅)が実態に近いかたちで把握できるというわけです。
なお、数字の比較は、必ず同じポータルサイトのデータ同士を突き合わせて行ってください。サイトごとに、物件の数え方に違いがあるためです。
(文/朝倉継道 画像/123RF)
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