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賃貸に住んでも得る価値なし?

オーナーと入居者は、共に幸せを創り出せるパートナー(2/3ページ)

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一方、住宅のリセールバリューといえば、リスクに対する備えとしてだけでなく、自らを豊かにするためのポジティブな戦略として、このことを考えようとする人も増えているようです。


株式会社リクルート住まいカンパニーが今年の3月に公表した「2018年首都圏新築マンション契約者動向調査」によると、住まいの購入理由として、「資産を持ちたい、資産として有利だと思ったから」を挙げた人の割合は23.9%です。堂々の第4位です。


もっとも、23.9%という数字自体は、さほど大きなものではありません。ですが、注目したいのは過去からの推移です。


「資産を持ちたい、資産として有利だと思ったから(マンションを買った)」は、2003年には9.1%に過ぎず、購入への大きな動機とはとてもいえないものでした。ところが、それが年々数を増し、いまでは上記のとおりとなっています。


さて、そこで賃貸です。


住む人にとっての賃貸住宅には、資産性というものはまったく存在しません。そのため、リセールバリューなどそもそも無縁の世界です。


では、賃貸暮らしには、バリュー(価値)はないのでしょうか?


たくさんあります。


たとえば、地震で物件が傾いたとします。あるいは、洪水で浸水したとします。オーナーにとっては一大事ですが、入居者さんにとっては基本、痛くも痒くもありません。(もちろん家財に被害がおよぶことはありますが)


固定資産税も払う必要がありません。修繕積立金も同様です。修繕積立金が足りる、足りないで、ほかの入居者さんと揉めたり、悩んだりする必要もありません。


隣の家や部屋がゴミ屋敷になったら? すぐに逃げ出せます。転職したならば、通勤に便利な場所へすぐに引っ越せます。子どもが学校でいじめに遭っていることが判った! 即、転校を検討できます。


雨漏りが発生した!オーナーが多額の修理費用を負担し、直してくれます。入居者さんは1銭も払う必要がありません。


すなわち、賃貸住宅暮らしは、住宅というきわめて流動性の低い資産を持つことによるさまざまなリスクから逃れられる、もっとも単純かつ最良の手段です。

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この記事を書いた人

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