余裕資金で始めて、慣れない「値動き」に慌てないこと(3/3ページ)
ウチコミ!タイムズ編集部
2019/08/27
そのひとつは、賃貸経営特有の突発的かつ大型の出費に対する準備です。
物件内での孤独死、殺人といった事件・事故
自然災害による大きな被害
建物や設備の予期せぬ破損や故障
そうした、ときに数百万円単位での出費を余儀なくされるリスクが、賃貸経営には目白押しです。
そのため、これらの出費が生じた際に、保険でのケアを差し引いた上でも吐き出さなければならない額というのは、到底、投資に使える余裕資金とするべきものではありません。
さらにもうひとつ。それは、突発的ではない既定の出費です。
具体的には、大規模修繕費用と、いわゆるデッドクロス後の納税資金がこれに当たります。
このうち大規模修繕については、ほとんどのオーナーさんが意識をされているのですが、後者の納税資金については、いまでもたまにお気づきでないオーナーさんに出会うことがあります。
賃貸経営に仕掛けられた時限爆弾ともいえるこの難題について、もしもご存知でない場合は、「賃貸」「デッドクロス」「減価償却」といったキーワードでネット検索してみてください。いくつかのサイトを比較しながら読み込んでいくと、概要はすぐに掴めてくることでしょう。
ところで、以上の注意点は、賃貸経営のほか、株や外貨といったさまざまな投資を行っていたあるベテランオーナーさんから教えていただいたものです。
そのオーナーさん曰く、株などへの投資を経験すると、賃貸経営の面白さがあらためてよくわかるのだそうです。
その理由は、賃貸経営がまさに経営であるという一点に尽きるとのこと。
「賃貸経営では、投資家が直接収益へ関与できる範囲がとても広い。自ら手をかけ、商品である物件を魅力あるものにしていける。パートナーを厳選し、彼らを上手に使いながら成功を模索していく醍醐味もある」
とても参考になるご意見といってよいでしょう。
(文/朝倉継道)
この記事を書いた人
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