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無断駐車への対応・対策(2/2ページ)

森田雅也森田雅也

2018/12/19

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無断駐車禁止のたて看板を設置する

カラーコーンや貼り紙より費用はかさみますが、罰金なども記載されており無断駐車予防には役に立ちます。 ただし、たて看板に記載した罰金どおりの請求は難しくあくまでも警告にすぎません。 これについて、裁判例では、駐車場契約の駐車料金・近隣駐車場の駐車場料金などを勘案して相当額を請求できるにすぎないとしています(東京地判平成29年10月20日)。 この裁判では、無断駐車に対して5万円の罰金を掲示していましたが、5万円の支払いに対する明示または黙示の合意が認定できないとして、無断駐車の損害額として2000円のみが認められました。この判決は駐車していた時間がごく短時間という点も損害額に反映されています。

写真をとる

写真をとることによって後で有利に働くことが多いです。 長期間無断駐車している場合、車のナンバーを写した写真と、他の背景も写した写真を撮影すればわずかな費用で陸運局は車の所有者や住所を教えてくれる場合があります。 所有者が判明すれば請求も内容証明郵便で行ったり、弁護士に依頼したときもスムーズに進みます。弁護士に相談する場合には、写真を撮っておくことで、その後の立証が容易になったり、陸運局の問い合わせも弁護士が対応してくれたりと、その後の対応がスムーズになることが多いです。
このように無断駐車に対してはまず無断駐車をさせない環境をつくることが大事です。一度無断駐車を許してしまうと無断駐車が恒常的になってしまいます。
長期間の無断駐車に対しては少しでも早く解決することが一番望ましいので、個人で対応するのに限界を感じたら、いち早く弁護士などに相談するのがよいでしょう。

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この記事を書いた人

弁護士

弁護士法人Authense法律事務所 弁護士(東京弁護士会所属)。 上智大学法科大学院卒業後、中央総合法律事務所を経て、弁護士法人法律事務所オーセンスに入所。入所後は不動産法務部門の立ち上げに尽力し、不動産オーナーの弁護士として、主に様々な不動産問題を取り扱い、年間解決実績1,500件超と業界トップクラスの実績を残す。不動産業界の顧問も多く抱えている。一方、近年では不動産と関係が強い相続部門を立ち上げ、年1,000件を超える相続問題を取り扱い、多数のトラブル事案を解決。 不動産×相続という多面的法律視点で、相続・遺言セミナー、執筆活動なども多数行っている。 [著書]「自分でできる家賃滞納対策 自主管理型一般家主の賃貸経営バイブル」(中央経済社)。 [担当]契約書作成 森田雅也は個人間直接売買において契約書の作成を行います。

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