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住宅ローンで「持ち家貧乏」が増殖中!? ゆとりある持ち家ライフを実現する3つのポイント(5/5ページ)

横山晴美横山晴美

2017/08/18

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<ポイント2>ライフプランの変化を確認する

小さい子どもがいる場合は、子どもの成長とともに教育費の負担が大きくなります。教育費がかさむ時期に、住宅ローンを支払っていくことはできるでしょうか。

もし、住宅ローンと教育費の支払いで家計が赤字になってしまうことが予想される場合には、教育費の貯蓄をしておかなければなりません。赤字にはならないという場合でも、子どもが習い事を始めたり、塾に通い始めたりといった想定外の出費が生じることもあります。教育費は多めに見積もっておきましょう。

子どもがいないからといって、安泰ではありません。日本では多くの会社が50代半ばくらいから年収が減る傾向にあります。また、近年では介護離職も問題になっています。介護保険では介護のための有給取得や雇用形態の柔軟化を掲げてはいますが、働きながらの介護は負担が大きいのが現実です。

将来の家計収支の変化を予測しておくことはもちろん、収入の変化や思わぬ出費があることを想定して、余裕をもった資金計画を立てることが大切です。

<ポイント3>完済までのシミュレーションを行なう

上のふたつのポイントを踏まえて、住宅ローン返済のシミュレーションを作成しましょう。支出の増加や収入の変動についても、できるかぎり反映させることが大切です。

数字に強い人であれば、エクセルなどの表計算ソフトを使って自分でシミュレーションを行なってもいいでしょう。自分ではできそうにないという人は、不動産会社に依頼すればシミュレーションを作成してくれるので、そういったサービスを利用してもいいでしょう。ただし、不動産会社に依頼する場合は諸経費とライフプランの変化を組み込んでもらってください。

また、第三者に家計を見てもらいたいという希望があるなら、費用はかかる場合が多いですが、特定の金融機関に属さない独立系のファイナンシャル・プランナーに相談するのもひとつの方法です。

シミュレーションは、できるだけ厳しい条件で行なうことをおすすめします。その結果、“希望通りの家が購入できない”という結論に至る可能性もあります。

ですが、それを恐れてはいけません。条件をゆるくして、甘いシミュレーションをしたとしても、それには何の意味もありません。

最初は「購入は無理」という結果が出たとしても、たとえば車を持つのをやめる、毎月の貯蓄額を増やす、節約を意識するといった対策を講じることで、購入が可能になるかもしれません。まずは、現状を正しく把握することが大切なのです。

まとめ

住宅を購入する場合は誰でも、持ち家貧乏になる可能性があります。しかし、持ち家貧乏を過度に恐れることはありません。注意すべきポイントを知って、適切な返済計画のもとで住宅購入をすれば、持ち家貧乏を回避することができるからです。

住宅購入の際は、家計の現状を正しく見つめて、慎重に返済プランを検討していきましょう。

 

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この記事を書いた人

ライフプラン応援事務所代表

ファイナンシャルプランナー(AFP)、住宅ローンアドバイザー。企業に属さない独立系FPとして、2013年ライフプラン応援事務所を立ち上げて以降、住宅相談を専門に扱う。マイホーム相談では保険見直し、教育費、退職後プランなど総合的な視点で資金計画、および返済計画を考案。相談業務のほか、セミナー講師、執筆業など情報発信、啓蒙活動にも力を入れている。 「自分の家計は自分で守る」をモットーに、丁寧でわかりやすい面談が好評。 また、給付金や控除など、消費者のための制度を調べるのが得意で、「ここが使いにくい」「誰のための制度なのか」などとケチをつけるのが好き。

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