住宅ローンで「持ち家貧乏」が増殖中!? ゆとりある持ち家ライフを実現する3つのポイント(4/5ページ)
横山晴美
2017/08/18
住宅ローンで持ち家貧乏にならないための3つのポイント
せっかく住宅を購入するなら、持ち家貧乏に陥ることなく、余裕のあるマイホーム生活を送りたいところです。そのためには、適正な予算で住宅を購入するのがいちばん大切です。金融機関が貸してくれるなら大丈夫だろうなどと考えて、背伸びをしてしまうと、ほぼ間違いなく持ち家貧乏になってしまうでしょう。
そこで、持ち家貧乏を回避するための3つのポイントをご紹介します。
<ポイント1>購入時・購入後の諸費用を把握する
住宅購入時にかかる諸費用は、新築物件ならば物件価格の5%程度といわれます。4000万円の物件ならば、200万円程度が必要ということです。
この額を当初から計算しておかないと、頭金として用意していたお金を諸経費の支払いに回さなければいけないといった事態に陥ってしまいます。そうなれば、当初予定していた金額よりも、住宅ローンの借入れ金額が膨らんでしまうといった誤算が生じます。
では、諸費用にはどのようなものがあるのか見ておきましょう。
(1)住宅取得にかかる諸費用
売買契約書の印紙代、土地・建物の登録免許税や司法書士への謝礼、仲介手数料や消費税など
(2)住宅ローンにかかる諸経費
金銭消費貸借契約書の印紙代、事務手数料・保証料、抵当権設定にかかる登録免許税や司法書士への謝礼など
(3)その他、新居にかかる諸経費
引越し代、家具購入費、不動産取得税など
(4)購入後に継続して発生する諸経費
固定資産税・都市計画税、火災・地震保険料、修繕費など
こうしてみると税金が多いことがおわかりいただけるでしょう。
印紙税は「契約書の金額」に応じてかかります。登録免許税や不動産取得税、固定資産税など不動産にかかる税金は「固定資産税評価額」が基準になります。つまり、基本的には物件価格が高いほど、諸費用も購入後の維持費も割高になってしまうということです。
持ち家貧乏になる人の多くは、購入時に少しだけ背伸びをした、という感覚のようですが、物件価格が高くなれば諸経費の負担も重くなるということを忘れないようにしましょう。
この記事を書いた人
ライフプラン応援事務所代表
ファイナンシャルプランナー(AFP)、住宅ローンアドバイザー。企業に属さない独立系FPとして、2013年ライフプラン応援事務所を立ち上げて以降、住宅相談を専門に扱う。マイホーム相談では保険見直し、教育費、退職後プランなど総合的な視点で資金計画、および返済計画を考案。相談業務のほか、セミナー講師、執筆業など情報発信、啓蒙活動にも力を入れている。 「自分の家計は自分で守る」をモットーに、丁寧でわかりやすい面談が好評。 また、給付金や控除など、消費者のための制度を調べるのが得意で、「ここが使いにくい」「誰のための制度なのか」などとケチをつけるのが好き。