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底地と借地の売却で重要なのはタイミング(2/3ページ)

田中 裕治田中 裕治

2020/11/18

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【実例紹介】相続した借地権の売却からはじまった所有権とセットの売却(神奈川県川崎市)



神奈川県横浜市の物件。駅徒歩圏に所在し、土地は借地権。建物は老朽化しており、境界標が一部不明

ご相談を受けたのは、相続コンサルタントからのご紹介の方で、お母さまが亡くなられ相続された借地権のご実家の売却でした。

こうしたケースでは、はじめに紹介者の相続コンサルタント同席の上、現地でのお客様との打ち合わせ、現地調査、売却についてのご意向をうかがいます。

そこで私からは不動産のご売却の流れ、相場、注意点をご説明します。そして、お客様に「売却については、地主さんにひと言お伝えください」とお話させていただきました。というのも、借地権付建物の売却は売却時に土地所有者(地主)の承諾が必須で、地主さんより借地権を勝手に売り出していると思われないようにするためです。

お客様より正式にご売却をお任せいただいたあと、すぐに行政機関で物件調査を実施。現地調査で、一部の境界標がないなどを確認しましたが、行政機関での物件調査では、特に問題となる点はありませんでした。

物件調査後、お客様へのご紹介図面を作成し、売却活動を開始しました。

借地権付建物のため、周辺の所有権の物件と比較し、割安感のある価格にしましたが、買いたいというお客様や、他社さんからのお問い合わせ、ネットを使った募集でもなかなか具体的なお話をいただくことができませんでした。

やはり、借地権付建物の場合、新築戸建以外は担保評価の関係で金融機関からの融資が利用しづらいということもあって、興味を持っていただける方の絶対数が少ないという現状があります。

そうした中でお客様とご相談の上、販売金額を少し下げていただくなどしてもらい、私のほうで何とか具体的な購入希望者をお探しすることができました。

次ページ ▶︎ | 「売却は承諾できない」――地主さんからの意外な答え

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この記事を書いた人

一般社団法人全国空き家流通促進機構代表理事、株式会社リライト代表取締役

1978年神奈川県生まれ。大学卒業後大手不不動産会社に勤務したのち、買取再販売メインとする不動産会社に転職。その後、34歳で不動産会社を設立。創業以来、赤字の依頼でも地方まで出かけ、近隣住民や役所などと交渉。売れない困った不動産売却のノウハウを身につけてきた。著書に『売りたいのに売れない! 困った不動産を高く売る裏ワザ』『本当はいらない不動産をうま~く処理する!とっておき11の方法』などがある。

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