ウチコミ!タイムズ

賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン

詐欺の詐欺――原野商法の二次被害 その手口と流れ(2/2ページ)

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

4.実体のない経費を取られる

被害者がすっかり騙され、土地の売却および購入、両方の話が進むと、業者はこれに絡めて「あれが必要になった」「これも」と、さまざまな名目で経費を要求する。これらは数十万円から100万円以上と、多額に及ぶが、「最終的には補填するので損はしない」と、被害者を言いくるめるようなケースも見られる。

5.業者と連絡がとれなくなる

土地の売却・購入両方の契約が結ばれ、被害者は購入した土地と売った土地の代金の差額を支払う。ところが、話は急にそこから先へ進まなくなる。存在するはずだった土地の買い手が、いつまでたっても現れない。しかも、補填される約束の諸経費の振り込みもさっぱりだ。電話をかけても担当者はいつも不在。ほどなく業者の電話自体が繋がらなくなり、被害者はやっと騙されていたことに気づく。しかし、時すでに遅し。多額の出費をさせられた挙句、被害者の手元には、欲しくもなかった資産価値のない土地だけが残るといった顛末だ。

6.さらにつけ込まれる例も 

加えて、以上のような状況に愕然としている被害者のもとに、さらに別の業者から電話がかかってくることもある。曰く、「騙されてしまいましたね。でもその土地は当社が売ってあげます。安心してください」…このように、騙された人からさらに搾り取ろうとする、とんでもない輩もうごめいている。

「騙される方も甘いのではないか」――たしかにそのとおりだろう。

とはいえ、実際には騙す方も巧妙だ。不動産のことを多少知っているがゆえに、引き込まれてしまうようなトークを展開する。

たとえば、「土地を売るためには、手続き上、別の土地を一旦買ってもらわなければならない」といったくだりは、「売る話をしているのに突然買う話になるなんて、おかしいじゃないか」と誰もが思うだろう。実際の現場では、業者はここに税金対策の話をうまく絡めるなどし、さもありなんといったトークで嵌められてしまう。

話の振り出し部分でも、業者は「つかみ」を用意する。

「内緒ですが、外国資本がこのあたり一帯に目をつけていて、当社はその流れで動いている」。そう言われれば、被害者の頭の中には、過去にテレビで観た有名リゾート地の情景がパッと思い浮かぶだろう。現に土地の引き合いが来ているという目の前の現実と、そのイメージが重なれば、「いままで売れなかった土地が急に売れるようになるわけがない」との確固たる認識も、自身の欲に惑わされ簡単に覆されてしまう。

世の中の振れ幅が大きくなっているとき、詐欺は横行しやすい。消費者庁が具体的な事例を挙げて注意を促しているので参考にしてほしい。 

もしこのような話になったときは、各地の消費生活センターや警察にすぐに相談するべきだ。

  • Facebook
  • Twitter
  • LINE
  • Hatebu

この記事を書いた人

賃貸経営・不動産・住まいのWEBマガジン『ウチコミ!タイムズ』では住まいに関する素朴な疑問点や問題点、賃貸経営お役立ち情報や不動産市況、業界情報などを発信。さらには土地や空間にまつわるアカデミックなコンテンツも。また、エンタメ、カルチャー、グルメ、ライフスタイル情報も紹介していきます。

ページのトップへ

ウチコミ!